ただの寝酒から連続飲酒までの道のり | 俺、アルコール性肝硬変だってよ

俺、アルコール性肝硬変だってよ

アルコール性肝硬変と診断された42歳の闘病記録

今日は、どの様に自分が連続飲酒に陥ったかについて書きたいと思います。

自分の会社はweb制作とサーバー管理・システム保守をやっている小さな会社なのですが、仕事柄サーバーのメンテナンスや、いつ起こるかわからないトラブル等の予期せぬ事態が起こった際には即時対応しないとクライアントに迷惑が掛かるため24時間365日気が抜けない状態で、休日や旅行中も常にPCを持ち歩き、常にスマホでメールをチェックし何かが起こればいつでも対応が出来るという状態が何年も続いている生活です。

性格的に気が小さいこともあり寝ているつもりでもスマホのバイブが鳴るたびに目を覚ますという感じなのでストレスが尋常じゃないのと、元々寝つきが悪い方だったので寝酒代わりにビールを飲んでホロ酔い状態でベッドに入るというのがそもそもの始まりでした。

初めのうちは500ml缶を2本で満足していたものが気付けば4本、5本と徐々に量も増え最終的には飲まないと手が震える様になり、常に体の中にアルコールが入っている状態じゃないと精神的に落ち着かないと言う典型的なアルコール依存症になりました。
この時には美味しいから飲むなどではなく、飲まないと何も手がつかない・落ち着かないんだという一種の洗脳的とも言える依存状態だったんだと思います。

こうなると昼夜問わず飲むようになり昼間などは「タバコ買って来ます」とか「コーヒー買って来ます」といってコンビニに行き、ビールを2本くらい買ってコンビニのトイレで飲み干してから仕事に戻るなど無茶苦茶な事をやってました。
ただ、ビール2本で酔うこともなかったので仕事中にフラついたり呂律が回らないなどは無かったので多分バレていなかったと自分では思ってましたがこの辺は微妙です・・・(周りの人たちは気づいてないフリをしてくれていただけかも)

それからは、ちょこちょこ「今日夜中メンテやるので」とか「実は昨日の深夜にシステムトラブルがあって対応で寝てないので」とか、何かもっともらしい理由をつけて自宅での作業にしてもらったりして完全にダメ人間となりました。

普段の生活も全てがメンドくさいと感じる様になり、あんなに好きだったバイクに乗りたいとも思わなくなり、妻から買い物行こうとか外食しようとか言われても何かと理由をつけて断り、とにかく動くことが苦で休みの日はソファーから動きたくなかった。ただ、ビールがなくなった時だけは何の苦もなくコンビニに行けた。

そうやって飲み続けているうちに、酒が入っている状態とはいえ自分でもこれじゃダメだと落ち込む様になり、過剰飲酒による鬱状態からくる「こんな俺は死んだ方がマシだ」と自殺願望を持つ様になりました。

連続飲酒に陥る前は飲むと楽しい気分になっていたはずが、飲む→自分のダメさ加減に落ち込む→落ち込みを誤魔化すために飲む→さらに落ち込む→死にたいという様に気持ちがマイナスへマイナスへと向かう様になって行ったんだと思います。

「死ねば10年以上前に入った生命保険でマンションのローンは完済出来る」とか「妻も俺みたいなダメ人間なんかと一緒にいたくないはずだ」とかをあの時は本気で毎日考えていた。

しかし、妻は違った。

こんな俺に「何か一緒にできる趣味みつけよう」「またバイクでツーリングでも行こうよ」などの書ききれないくらい愛情のある言葉をかけてくれた。
そして6月30日、「死んじゃったら私1人になっちゃうよ」と涙ながらに言ってもらった事で完全に目が覚めた。

そして自分に誓った。
すでにアルコール性肝硬変になってしまったので人並みの寿命は全う出来ないかもしれないが2度と酒は飲まず、せめて良くはならずともこれ以上悪化させない様に頑張ろうと。