Ⅴ
「何をさっきから笑っているの?」
「いや、、嬉しくて。」
「何が?」
「何が?って、、、こうしていられることが。」
そう。今日はクリスマスイブ。
街中が華やぐ一日。
二週間前までは男友達に断られ
家でゲームしようと思っていた24歳の男が
恋人ばかりがいるレストランで
好きな子と向かい合わせに座っていて
笑わずにいられるのだろうか。
幸せ過ぎて思わず笑みがこぼれてしまう。
美雪ちゃんさんは嬉しそうに赤くなって下を向いた。
まるで高校生、いや下手したら中学生のカップルみたいだ。
それでも、良いと思う。
ゆっくり進めば良い。
人にはそれぞれのペースがある。
過去はもう変えられない。
悔いても生まれてくるものはない。
24歳でも恋愛に関しては中学生。
悪くない。
友達に色々言われるかもしれない。
それでも良い。
美雪ちゃんさんをたくさん自慢してやる。
「何を笑っているの?」
、、、、、、、、、、
けたたましく鳴り響く、目覚まし時計に手を伸ばす。
ずいぶん長く寝ていたみたいだ。
TVを付ける。
寝ぼけまなこで見ていたが、次の瞬間
心臓が飛び出るくらい驚いた!
日付が12月10日になっていた。
「12月10日???」
え?
夕べの美雪ちゃんさんとのデートは?
え?えーーーーー???夢?
嘘だろう?
あんなにリアルな夢があるのか?
そしてビックリしたことがもう一つ。
外を見たら雪が降っていた。
とても美しい雪が。
星に願いを掛けて、叶えてくれた。
夢の中で。
素敵な人とクリスマスを過ごせた。
「よし!」
予知夢かもしれない。
会社で市川さんに声を掛けられるかもしれない。
飲み会に誘われるかもしれない。
もういじけるのはやめよう。
未来は自分で作るんだ。
雪が降る街にぼくはいつもの何倍も
ハイテンションで飛び出した。
思いっきり笑って。
Fin