月本「専門分野は思念検索なんだって?」
梅崎「ああ」

月本は梅崎を物珍しそうに眺めた。

月本「たとえば数百人が集まってて...」
梅崎「......」
月本「その中の一人が私を殺そうとしてたなら...」
梅崎「......」
月本「そのたった一人を索敵できる?」
梅崎「うん、できる」

月本は新しいオモチャを手に入れたような、
楽しそうな顔をしている。

月本「もちろん尾行も得意よね?」
梅崎「当たり前だろ」
月本「検索した標的をそのまま尾行するんだ?」
梅崎「必要ならもちろんそうする」

月本はアイデア商品を見るような目付きで、
梅崎を見つめた。

月本「使えるね、これは」
梅崎「ほお、そうかい」
月本「刑事になってよかったじゃない」
梅崎「あ?」
月本「ヤクザより向いてるよ」
梅崎「大きなお世話だ!」

停車中の車内で、
梅崎はクシャクシャと頭を掻きむしった。

月本「あんたはここで車から降りてね」
梅崎「ん?」
月本「ここからは別行動」
梅崎「んん?」

教育総監の死体を再生中の病院の近くで、
これから月本がいったい何を始めるつもりなのか、
梅崎は必死に探ろうとした。

しかしそれよりも、
月本の言葉の方が早かった。

月本「再生病院の周囲の不特定多数の中から...」
梅崎「......」
月本「え? 俺たち以外の誰がそんなことを!」
梅崎「......」
月本「っていう思念をこれから検索してもらうから」
梅崎「?」
月本「あらかじめ待ち受けてなさいね」
梅崎「??」

月本は薄笑いを浮かべていた。

月本「それじゃ、ここで降りて」
梅崎「なにぃ~?」
月本「降りなさい!」
梅崎「わわ!」

梅崎は車外に放り出された。