男「どうした、かかって来いよ」
梅崎「......」

二人とも不動の体勢のままだ。

梅崎「お前こそ先にかかって来い」
男「......」

数分、時間が流れた。

梅崎「お前、カウンター屋だろう?」
男「......」

二人の食べかけの食べ物もそのままだ。

男「お前もな」
梅崎「......」

二人とも動くに動けない。

男「......」
梅崎「......」

二人がいるのはハンバーガー屋の二階だ。
ひとりの少女が階段を上がって二階に現れた。
少女は二人に近づいていった。

少女「そこまでよ」

少女は何気なく立ち止まり、
男に対して声を響かせた。

その時すでに少女は、
右手の人差し指を男の顔に向けていた。

男「子供じゃないな、中に入ってるのは誰だ?」

男は梅崎を睨んだまま、少女に言葉を返した。
梅崎と男はまだ互いに動けない。

梅崎「ネェちゃんか? 遅いぞ」

梅崎も男を睨んだままだ。
チャーシューメンは既に伸びてしまっている。

男「その右手の人差し指は何だ?」
少女「......」
男「俺を撃つ気か?」
少女「......」

少女は右手の人差し指を、
ずっと男の顔に向けている。

男「俺には当たらんぞ、やってみな」
少女「へぇ~、随分と自信があるみたいね」
男「俺を撃っても当たらない、絶対にだ」
少女「じゃあ、あんたを撃つのはやめとく」

少女は右手の人差し指を、
いきなり梅崎の胸に向けた。

梅崎の胸部の真ん中に、
無音のままポッカリと穴が空いた。
梅崎は、驚きの余り、
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。

男がハンバーガーを手にしたままドサッと倒れた。
顔面が蒼白になっている。

男「バカな...俺は撃たれてない...何故だ...」

床に倒れたまま男は呻いた。
その後、動かなくなった。