カラオケ屋の入り口のすぐ前の歩道に、
金髪美形ニューハーフのティーノは立っていた。

ティーノ「うふふ、くたばったみたいね♪」

しなやかな手振りと悩ましい腰の振りで、
その場で軽く踊っていた。

ティーノ「私を操ろうなんてするからよ♪」

ティーノは携帯を取り出し、
ウキウキと楽しそうに電話をかけた。

すぐにカラオケ屋から男が飛び出してきた。
ジーノだ。

ジーノ「どこだ! どこにいる!」

ひどく慌てている。

ジーノ「ティーノ! 一体どこにいるんだ!」
ティーノ「?」
ジーノ「その、全裸で歩いているという超絶美少女は!」
ティーノ「??」

ジーノは目が血走っていた。
ティーノは狐につままれた顔をしている。

ジーノ「お前、いるっていっただろ!」
ティーノ「......」
ジーノ「どこにいるんだよ! いねぇのかよ!」
ティーノ「......」
ジーノ「ついさっき電話で俺に話しただろうが!」
ティーノ「......」

ジーノはティーノを凝視した。
ティーノには何の覚えもなかった。

ジーノ「ティーノ...お前...」
ティーノ「♪」
ジーノ「お前...いま...」
ティーノ「え? な~に?」

ジーノの興奮はもう収まっていた。
怪訝な表情でティーノを見つめている。

ジーノ「お前いま、浸透波返し食らってるぞ」
ティーノ「!」
ジーノ「口を盗まれたな、俺をここに呼ぶために」

ジーノは見事に看破した。