灰野は正気に返ったような、
さっぱりとした面持ちに返った。
あたかも別世界への旅行から戻ったかのように。

そして、弓沢と目が合った。
灰野と弓沢はようやく会話ができる状態になった。

灰野「艦長...」
弓沢「灰野、よく帰ってきたな」

意外にも、
弓沢は陽気に騒ぎ出した。

弓沢「灰野ぉ! あのな、ちょっと聞け」
灰野「......」
弓沢「俺は正直いってお前のことが気に食わなかった」
灰野「......」
弓沢「最初に会った時からな」
灰野「......」

弓沢は身振り手振りで熱弁をしている。
灰野は黙って聞いていた。

弓沢「とにかく生意気だし、可愛くねぇし...」
灰野「......」
弓沢「いけすかないし、キザ野郎だし...」
灰野「......」
弓沢「腹が立つようなイケメンだし...」
灰野「......」

灰野はクスクスと笑みを零した。

弓沢「だがな、灰野、これだけはよく聞け」
灰野「......」
弓沢「今回のお前はな...」
灰野「......」
弓沢「よくやった」
灰野「......」
弓沢「難敵ジーノに因果を掛けるなんて...」
灰野「......」
弓沢「そうそう誰にでもできることじゃねぇ」
灰野「......」
弓沢「これはこの俺でも認めざるを得ない」
灰野「......」

ここで弓沢は一呼吸置いた。

灰野「艦長が感動してるってことはよくわかったよ」
弓沢「......」
灰野「でも喜ぶのは、まだ早いな」
弓沢「......」
灰野「確定予約した未来が実現して初めて...」
弓沢「......」
灰野「成功ってことだからね」
弓沢「......」

灰野は冷静に言い放った。

弓沢「ひとつ確認しておきたい」
灰野「......」
弓沢「結んだ因果の発現条件は何だ?」
灰野「......」
弓沢「いったい何がどうなればジーノの野郎に...」
灰野「......」
弓沢「しっぺ返しが起こるんだ?」
灰野「......」

弓沢は興味津々の様子だ。
灰野はあっさりと種明かしを始める。

灰野「心的動揺」
弓沢「ん?」
灰野「心的動揺だよ、あるレベル以上の強さの」
弓沢「ん~?」
灰野「ジーノがこの先のいつの日か...」
弓沢「......」
灰野「何かをきっかけに心が大きく動揺した時から...」
弓沢「......」
灰野「結ばれた因果の発現が始まる」
弓沢「......」