【アドベンチャーワールド】のホッキョクグマ飼育に対して
批判しているブログを見つけたので、ちょっと私の見解を。
その方は天王寺動物園からやって来たゴーゴのファンのようで、
アドベンチャーワールドの飼育環境に不満がある様子。
全国各地の動物施設を見てまわり、実際に働いていた私の
見解です。
飼育環境が良いか悪いかで言うと・・・
すごく良いとは言えないけど、決して悪くはない環境だと思います。
その方はオモチャなどのエンリッチメントを求めていましたが、
この施設がエンリッチメントをしていないかと言えば
そうではなく、むしろかなり昔からやっています。
ホッキョクグマのオヤツタイムでは、餌をプールに投げ込んで
ダイブ(泳がせる)という事をしています。
これには、運動させる意味合いと、生活を飽きさせないという意味合い、お客様へ動いている姿をより近くで見せるという意味合いがあります。
旭山動物園のホッキョクグマのダイブが話題になった事がありましたが、ここはそれよりもはるか前の平成4年から実施しています。
生き物の解説も含め、このような事をしている施設は当時はまだ
ありませんでした。
決して、オモチャだけがエンリッチメントではないのです。
しかもオモチャには動物にケガの恐れがある事はもちろん、
プール面がガラス張りの構造のここではガラスを破損させてしまう
恐れがある為に使用は難しいという問題があるのです。
ホッキョクグマの飼育されている海獣館は、ペンギンの展示場をメインに完成当時は最先端のものでした。
そして、その設備は現在でも国内ではトップレベルのものです。
ホッキョクグマに関しては、コンクリート床で屋外展示が当たり前の
時代にエアコンを完備した室内展示という最先端のものでした。
先ほども述べたように、プールで泳がすという事も当時はありませんでしたし、上から生き物を見下ろすのが当たり前の時代に人と同じ目線で生き物を見る事で大きさや体をより近くで見せるという見せ方をしています。
現在でもコンクリート床での展示、炎天下の日本で屋外飼育、檻で囲まれた展示場が多数ある中で、この施設が決して飼育環境が悪いとは私は思えません。
ホッキョクグマがいくら絶滅危惧種とはいえ、他のクマたちに目を向ければ飼育環境がさらに劣悪な施設は山ほどあります。
確かに展示場を中央で区切ってしまった事で展示スペースが狭く
なってしまった事、冷たい感じのそっけない床構造などは改善の余地はあるとは思いますが・・・。
ただ、展示スペースが狭くなった事に関して言えば、常に日替わりで違う個体を交互で展示するかと思えば、展示場を分けた事で少しでも展示時間が長くなるという意味では決して悪くはないと思います。
また、構造上増築は難しいので、他の場所に大々的にホッキョクグマの展示場を作りそちらに移動させる事でしか大々的な改築が難しいのが現状で、他の場所に作ってしまうと施設全体の配置が複雑になる事と生き物の見せ方にまとまりがかける事が必須ですし、
何よりも海外からの入手が困難で永続的展示が難しくなっていく動物に対してどこまで予算を割けるのかという問題も出てきます。
広さは確かに狭い!
展示場に生き物が安心してくつろげるスペース(人から隠れる事が出来る場所)が欲しい。
人工哺育とはいえお客様への見せ方を何とかしてほしい。
これは私も思います。
今の時代で設計をし直したら、見せ方も変わってきているのでもちろんもっと良い、新しいものは出来るはずです。
でも、とんでもなく酷い環境かというと決してそうではないとも思います。
私からしたら、コンクリートむき出しの炎天下でグッタリしていたり、広い展示場でも常動行動だけ繰り返していたり、パートナーがいない単独飼育だったり、お客様に生きものを知ってもらう事(解説やイベントなど)を行わない施設の方がよっぽど可愛そうに思えますけど。










