勇気ある撤退 | サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~

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飼育係・アニマルトレーナーをしていたサクが、動物や自然についてをあれこれとお話するブログ。
全国250以上の動物関連施設を訪問したマニア目線からのレポートを中心に、施設の裏側、裏話などをご紹介します。
当ブログは全て、私が実際に体験した事や訪問した資料、写真を元に書いています。

「マナティともふれあえる」
とCMでうたっている【iZOO】

国内唯一のマナティとのふれあいと、世界でも飼育数の非常に少ないアフリカマナティをウリにしていたこの動物園。


実際にはリニューアルオープンを前に飼育個体が死亡してしまい、新たに2頭の導入を予定していたのですが、この度飼育を断念する事を発表しました。


元々、1月頃に新規個体の導入を予定していたのに全然来なかったんです…

で、飼育を断念した理由は先日の国際会議でアフリカマナティがワシントン条約の対象種に指定され、商業的な取引が禁止されたからです。

すでに個体導入の契約がされていた後の事なので導入自体には問題はないはずですが、今後野生個体の導入が出来ないために継続的な飼育が出来ないため、動物の為にもただの見せ物になるだけなのを避ける為に導入を中止したとの事。

野生個体が導入出来ないという事は、逆に言えば超レアな目玉にもなるという事。

そこをあえて、飼育を断念するという勇気ある撤退はもう涙が出る程に褒めてあげたいし、その事をちゃんと伝えるという事も素晴らしい事。

象やキリン、イルカなどの人気のある動物でよくあるのが「見たい」から、「人気がある」から飼育を希望する、導入するという姿勢が市民レベルや施設側によくあります。

今の時代で考えないといけない事って、
その動物が継続的に飼育が可能なのか?
飼育に相応しい環境と繁殖の事も考えているのか?
だと思うんです。

マナティが見られないのは残念だけれど、無駄な投資と、無駄な命にさせない為にこの施設が取った姿勢は本当に素晴らしいと思います(導入予定だった個体がどうなるのかは気になりますが)

アフリカマナティを飼育している鳥羽水族館には、逆に世界初の飼育下繁殖成功の重大性と期待は高まるけどね。


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