事故ですか | サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~

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飼育係・アニマルトレーナーをしていたサクが、動物や自然についてをあれこれとお話するブログ。
全国250以上の動物関連施設を訪問したマニア目線からのレポートを中心に、施設の裏側、裏話などをご紹介します。
当ブログは全て、私が実際に体験した事や訪問した資料、写真を元に書いています。

TV出演した事で有名になったあのチンパンジーが、事故を起こしたそうですねしょぼん


実習に来ていた専門学校の生徒さんに襲い掛かったそうで…



うーん…このブログではこのチンパンジーの事は何回も話題にはしていますが、今回は事故ですかダウン



私はチンパンジーの担当はした事ないのでもしかしたら間違った見解を述べるかもしれませんが、率直な私の感想を。



まずね、事故とは直接関係ないけれど、度々お話をしたようにチンパンジーは希少動物であり『猛獣』なんですしょぼん

TVで間違った方向性でマスコミが可愛さばかりを強調するあまり、一般的に間違った見方が広まっているので、そこを大にして言いたいビックリマーク


チンパンジーは
『動物の愛護及び管理に関する法律』
により、特定動物飼養許可という物を得ないと飼育が出来ない動物です。



これは人に危害を与える恐れのある危険な動物が対象で、ゾウ、クマ、猛獣などと同じ扱いになります。


腕力は300キロ以上あると言われていて、人間の平均腕力50キロと比べたらその力の差は一目瞭然しょぼん



特に成熟した雄の扱いは難しくて、この子の10歳という年齢を考えたらショーをもっと早く引退をしてもよかったぐらい(引退する事は決まっていたようですが)


海外ではチンパンジートレーナーの事を『ナインフィンガー』と呼ぶ事があって、これはチンパンジーに指をちぎられる事なんて当たり前の事という意味の皮肉られた呼び方なんです。


今回、攻撃をされた実習生は女の子のようですが、どうもチンパンジーが危害を加える相手の確率は女性の方が高いような気がします



これは、自分よりも弱いと判断した相手に対しての攻撃で、普段接していない実習生ならその傾向は尚更の事。



私が飼育係をしていた時も、慣れていない人がチンパンジー舎に出入りするのは相当怖い思いをするという話を聞いた事があります。



もちろん全ての個体ではないし、非常に賢くて優しい一面を持った動物でもありますけどねニコニコ



日本を代表するトレーナーが扱っていたし、チンパンジーの飼育のノウハウだってある施設だから管理体制自体にはさほど問題はなかったのかもしれないけれど、結果論からすれば事故があったのは事実だし、「動物に絶対はない」という事。



猛獣であり、希少動物であるチンパンジーの扱い方については世論や日本動物園水族館協会、各種動物保護団体から度々指摘があったのも事実です。



動物達をより身近に感じさせ魅力的に見せてはいるけれど、商品として扱っているとの声もあります。


間違った知識を一般に広げてしまうのはよくない事だし、服を着せて町を歩いたり、物を買わせたりと人間と同じに扱ったり見せたりするのもどこか違うと思うしょぼん


人間に振り回された結果、チンパンジーとしての生き方を得られない状況下が長く続くのであれば、施設が言う繁殖なんて考えているとは到底思えません。


施設への批判は続くでしょうが、逆にこのまま距離を保って引退させてあげた方が「チンパンジーとしての」彼のためにはよいのかなとも思いました…