
それは、
『世界で最も孤独なクジラ』
という内容の物。
そのクジラは
『52Hertz』(52ヘルツ)
と呼ばれている野生のクジラです

ヒゲクジラの仲間は、『Whale song』(クジラの歌)と呼ばれている音を発しています。
このクジラの歌は、イルカなどの歯クジラの仲間が物体認識の際に発するエコロケーション(超音波)とは違っていて、一説には「恋の歌」ではないかと考えられていますが、はっきりとした理由はまだ研究の途中でわかっていません。
「動物界で最も複雑な歌」とも言われているこのクジラの歌は、通常15~25ヘルツの低い周波数で発せられています。
しかし、ある1頭のクジラは52ヘルツと非常に高い周波数で歌っています。
しかも、他のクジラよりも短くて頻繁に音を発するんだとか

このクジラは、その周波数から『52Hertz』という通称で呼ばれるようになりました

その歌は1992年から現在に至るまでアメリカ周辺で確認されていて、移動ルートも他のクジラとは違う事や、このような音が他では確認されていない事から
『世界で最も孤独なクジラ』
とも呼ばれるようになりました。
アメリカ海洋大気局が公表している『52Hertz』の回遊ルート

今だに音しか確認されていない為に未知の種ではないという説もありますが、シロナガスクジラとナガスクジラのハイブリッド(雑種)の可能性があるんだとか。
もしそれがハイブリッドで、通常とは違う歌を歌っているというのならそれはそれで非常に興味深い事です

通常、(人間も含めて)言葉やコミュニケーション能力、狩りの仕方など生きるうえで必要な事は親から学ぶ物

では、彼(彼女)はその歌をどこで学んだのでしょう

何を思い、他とは違うルートを旅しているのでしょう

それともう一つ。
もしハイブリッド説が本当ならば、歯クジラのハイブリッド種も他とは違う「何か」を得る事もあるという事なのでしょうか

そもそも、種が違う同士のコミュニケーション自体にも不思議が一杯で、どのように「会話」をしているのかも気になります。
『52Hertz』は、現在も一人で歌い、一人で旅を続けています
