1967.10.29

小室川谷(山梨県)

同行者 Y・N

 

  氷川の神社で久しぶりに寝てみました。 やっぱり寒くてすぐに目がさめました。 5時35分の丹波行きのバスはガラガラでよく搖れます。 丹波から小室川の出合まではうまい具合いにトラックが利用できました。 泉水谷で朝食を摂り出発としましたけれど路を間違え、尾根路をのんびり歩かされてしまいました。 やがておかしいと思い、激しい薮漕ぎをやったすえ沢に下りました。 47カ所位とげが刺さったかと思いました。

 

 

  沢は明るいけれど水が多く困難な沢登りになりそうでした。 今日はよい天気になるはずが曇り空から今にも雨が降りそうで気分が悪いです。 でも、快適に進むうちゴルジュ帯で行く手を滝に阻まれて進めなくなりました。 なんとか左側を登ろうとしたけれども駄目で少し戻って左のルンゼを高巻となりました。 こゝでも岩と棘に悩みましたけれどなんとか滝上に飛び出てほっとしました。 沢は両岸とも岩肌がそゝり立ち脱出は出来ないような気配です。 それでも水際をヘツリながら、又水を飛び越えながら進みました。 トンネルのある岩場で休み写真を撮ったり食べたりし元気になりました。

 

 

  天気は快復して青空になり陽が見えだしました。 沢は台風のためと思われる砂利が多く川底を見ることはできません。 滝も砂利の下にだいぶ埋もれているようです。 やがて目の前に四段の滝が現れました。 水量が多いせいか雄大で総高さは40m位であろうと思われました。 右側の岩を登り滝上に出ました。 その上からは河原になり水も伏流になったりしていましたが、やがて大きな滝に行く手を遮られました。 15m位でしょうか。左側の岩に取り付きましたがなかなか苦しく戻ったところ、同行者の落とした石が頭に飛んで来てヒヤリとしました。 なんとかそこも脱出することが出来ました。 その後は困難な場所もなく進むことがただただ仕事となりました。 

 

 

  飯場で朝トラックに乗せてくれた木こりと出会いました。 しばらく進んだころ金場沢に入る木こりが後から追いついてきたので、路を聞いたところ間違ってないことが判りました。 フルコンバ小屋への路を確かめて出発しました。 沢の水がなくなる頃先日の台風で降った雪が見られるようになってきました。 フルコンバ小屋の上で10㎝位の積雪があり今シーズン初の雪景色に、気分は最高となりました。 フルコンバから大菩薩 峠に出てそこから裂石に抜けました。 塩山でタンメンが待っていると思えば下りのスピードも自然速くなるものです。

 

 

  名渓小室川谷は、大菩薩嶺北東面の泉水谷支流で、多摩川源流域の沢中の遡行としては、大常木谷と双璧をなす一級のルートとされています。 2017年5月には、新緑が煌めく大渓流を旅する登山レポートが投稿されているとか。 この沢は、美しい東京都水源林の中に有り、魅力溢れる多くの美瀑と数々のゴルジュが遡行者を迎えてくれます。 また、大菩薩連嶺屈指の名渓として、首都圏近郊にありながら濃厚な沢旅を堪能出来る、大渓流として大変貴重だそうです。・・・と解説がありました。 

 

 

 チョッと褒めすぎの感がありますが沢登り、岩登り初心者が一人で、あるいは複数で入るのはチョッと危険ですね。 キチンと三つ道具使いこなせる事が最低条件でしょう。 とにかくズブ濡れは覚悟で入ってください。

 

 

 

   落葉松

          

      落葉松のうつくしさ     それは春にかぎる

     燃えるような新緑の     あの明るさを誰もが賞でん

 

      落葉松のうつくしさ     それは秋にかぎる

     あたりを染めあげる   あの狐色を誰もが賞でん

                       

                                                         

 印象的落葉松林 : 梓山  姫次の原  夜叉神峠  細野二股

              他にも多数有ります!