京都文化博物館で2月2日まで開催されている大シルクロード展を観に行ってきました。
日中平和友好条約45周年記念世界遺産 大シルクロード展 - 京都府京都文化博物館
写真撮影OKだったのでどんどん載せます。
残り2週間という時になってようやく行くことができました。素晴らしい展示で、本当に行ってよかったです。ユーラシア大陸の西と東を結ぶシルクロード。東ローマ帝国時代の品々からはじまり、東へ向かうにつれて徐々に東洋の濃度が強まってくる様子が興味深かったです。大陸の東端まできたらかなり日本の「和」を感じさせるものがあって。遠い昔に膨大な距離を経て伝えられてきた文化の変遷を感じることができました。そしてその文化を伝えた人間の営みが想像できるようでもありました。
シルクロードの最終到達点は日本ですね。コロナ禍以前は毎年のように秋に奈良で開催される正倉院展に出かけていました。奈良時代の文物は現代の日本のものとは違う、とてもエキゾチックなものが多いです。今回の展示もそれに共通するものがたくさんありました。それも日中平和友好条約45周年記念ということもあってか、どの展示品も驚くような一級品ばかり! 正倉院展では毎年90点ほど展示され、その中で「これは!」って思う目玉展示が数点あるのだけど、今回はそんな目玉的展示が200もあるという印象。正倉院展をまとめて10年分くらい見たような見ごたえ感があり、どの展示品の前でも足をとめてじっくり見てしまいました。
黄金のなまめかしさが~~。イヤホンガイドを借りましたが声は石原浩二さんでした。
こういうものをラクダに乗ってキャラバンで運んでいた人たちがいました。彼らはイラン系の人たちでソグド人と呼ばれていたそうです。西洋人とも東洋人とも違うこの濃い顔。
これは唐の妃のお墓の壁に描かれていたものだとか。往時の唐は現代の中国以上にすごく国際色豊かだったのでしょうね。
奈良の正倉院は高床式倉庫でお宝を千年以上、守ってきましたが、このアスターナ古墓郡というところは乾燥した砂漠地域であったために当時の文物が非常に良好な状態で守られていたのだそうです。そこで見つかったものもいろいろ。
こんな靴、正倉院にもあったなあ。
靴下。
上記の貨幣をまねて日本で作られたのが和同開珎。そっくりです。当時の唐のものをそのまんまコピーしたのですね。
こんな絵も奈良で観た記憶が。奈良で目にした数々の文物・文化はあの広大なユーラシア大陸をはるばる旅してやってきたのかと感慨深いです。この女性は上にあるようなつま先が反りあがった靴を履いています。
ここまでくるとだいぶ日本を身近に感じるようなものが。
唐美人。藍色の肌着や長いスカート、ショールなど当時の最先端の洗練ファッションだったのだそう。
キャラバンに必須のラクダさん。60cmほどもあるかなり大きいものでした。
すごい、エキゾチック。
シルクロード各地の風景のパネルも素晴らしい。どこまでも続く大地と空。
仏陀のことを描いた巻物の一部です。仏陀の前世は「白い鹿」。
自分を裏切った人のことも赦す、慈悲深さを表わした物語が描かれていました。
馬頭観音像。日本海側の福井県若狭地方は馬頭観音を本尊としたお寺が結構ありました。最近では一年前に若狭の中山寺の特別公開で馬頭観音様を見せていただきました。こういうのは日本に到達するころになると角がとれてマイルドになっている印象があったのですが中山寺の馬頭観音様はかなり激しい表情で動的な印象の強い姿をされていてオリジナルからそう変わってない感じがしました。この像は8世紀のものだそうです。
青銅製の車馬。迫力ありました!
どこかギリシャっぽい姿はガンダーラ文化の影響を受けているのでしょうか。胴体だけなのもルーブルの「サモトラケのニケ」の東洋版という感じ?優美なシルエットにうっとり見入ってしまいました。
これも7-8世紀の菩薩様です。このドレープの美しいこと~。
他にもまだまだありましたがこの辺で。最近の展覧会は写真撮れるのでありがたいです。写真を眺めながら感動を思い起こしています。