11月半ば。滋賀県甲賀市にある油日神社に行ってきました。「侍タイムスリッパー」という映画を観に行った時、エンドロールで紹介される撮影場所にこの神社の名前を見つけたからです。神社の名前は白洲正子さんのエッセイで読んで知っていました。最後の決闘シーンがここの境内で撮影されたそうです。

 

大津市の自宅から車で一時間くらい。結構な山の中にありました。「京都や滋賀にお寺や神社はいっぱいあるのに、なんでこんな山奥までロケにきたんやろ~」などと話しながら向かったのです。

 

到着してみたらまさに時代をスリップしたような昔の雰囲気に。ビルやマンションのような現代的な建造物は全く見られない静かで、なんとも風情ある土地でした。下の写真は神社前の参道だったしょうか。神社までの道を護るように豪壮な造りの家が並んでいました。

 

 

創建は平安以前と大変由緒ある神社です。室町時代のだったか、かなり古い社殿だそうです。決闘シーンはこの広いところで撮影したのでしょうか。

 

 

たまたま居合わせられた宮司さんとお話することができ、いろいろ話を聞かせていただきました。映画のロケ地と知って来た旨を伝えたところ、他にも数多くの作品のロケ地になっていることを教えていただきました。映画・ドラマ撮影だけで毎年数本、それだけでなく旅行番組などでも何度も紹介されているようです。

 

 

過去のロケ作品のポスターがありました。「信長協奏曲」、「大名倒産」、「武士の献立」、「大奥」・・そのほかにもいっぱい。ドラマでは「ごちそうさん」、「わろてんか」、「必殺仕事人」、「伝七捕物帳」、番組では当然ブラタモリ、鶴瓶さんの番組など。「詳細は公開まで言えないけれど最近も別の映画でロケしていたばかりです」と仰っていました。

 

 

ここは神社なので決闘ものとか誰かが「死ぬ」ような場面の撮影は忌むのだそうです。血しぶきが柱に飛ぶシーンも「血」がダメだし、文化財を守るという意味でもNGなのだとか。それで最近は「色のつかない血しぶき」というのがあってあとで編集で色を付けたりするのだそうです。そんな苦労もあるのかと大変興味深いことでした。私たちが訪れた少し前に「侍タイムスリッパー」の監督さんと助監督役をされていた方がお詣りにこられたとも伺いました。確か監督さんは京都の方でしたね。

 

 

 

下は宝物庫。白洲正子さんのエッセイでここの神社に保管されている能面が素晴らしいものだと書かれていました。そのことを宮司さんに尋ねたらあいにく現在は首都圏のほうに貸し出し中とのことでした。戻ってきたときにまた連絡くれたら見学できるようにしてくださるとのこと。これはぜひ年があけたら伺ってみたいです。

 

 

 

 

行ってみたらとっても素敵なところでした。日曜日でしたが人里離れた山の中の神社は訪れる人もごくわずか。静かに見学させてもらうことができました。