12月1日。日吉大社の翌日、日曜日は近江八幡市の教林坊の紅葉を観に行きました。数日前にこれもローカルニュースで紅葉が見頃と紹介されていたことで知りました。大津市の自宅から40km、一時間半ほどのドライブです。名前は聞いたことがありましたが、これまで訪れる機会がありませんでした。調べてみたら、さもありなん、公開されるのは春の土日と紅葉期間のみということで、訪れるにもなかなかハードルが高いのです。白洲正子さんの本でも紹介されてます。白洲正子さんの審美眼に適った美しい石庭があります。

 

 

二千坪の境内に300本の紅葉、その背後に竹林という環境にあります。先に訪れた石山寺、日吉大社などに比べてこじんまりした境内で、本堂、書院の間に小堀遠州作といわれる石庭が配置されています。その空間を覆うように圧巻の紅葉です。ここはこの秋、いや、何年ぶりかで一番素晴らしい紅葉でした。染まり具合もですが建造物と苔むした石庭との調和が素晴らしくて、こんな美しい場所があったのかと。

 

以下は頭上を埋め尽くす紅葉。赤、黄色、オレンジ、緑が入り混じっていて、ただただきれい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本堂の中の仏様も素晴らしいものでした。この日は秘仏の不動明王像がご開帳ということでお姿を拝見することができました。願掛け不動明王様と書いてあり、この期間だけのご開帳ということでご利益ありそうですね。その横のご本尊は聖徳太子作の石仏観音。至近で拝見できました。不動明王様もですが、なんとなく、カメラを向けることに躊躇してしまい自身での撮影は遠慮しました。下の写真はウエブサイトからお借りしています。薄暗い本堂の中に浮かび上がるような姿の仏様と向かい合っていると神妙な気持ちになりました。聖徳太子以後の平安時代、戦国時代・・そして現代にいたるまでの歴史のうねりの中でも静かにここに佇んでおられたのですね。この仏様の前でいったいどれだけ多くの人が手を合わせてきたのかな、とか。それぞれの時代に庶民はどんなことを願ったのか。いろんな思いが巡りました。

 

 

それからもうひとつ、え!なものが展示されていました。

 

 

 

鬼が改心して頭から落ちた二本の角を奉納する場面の絵があります。長さは30cmくらい。表面には微小な突起がたくさんありました。これ、何なんだろう。ネットで検索してみたら「クジラの歯かも」ってい投稿されている方がいて、それかもしれないなあ、と。でも伝説のようにこれは鬼の角だった、っていうふうにも信じてみたい。笑

 

 

再び外へ。素晴らしい苔石の庭が眼前にあります。

 

 

この石組みはなんと古墳を利用してあるのだそうです。上の写真の石は特に大きい石ですがやや平べったい感じです。これは石室の蓋石であったのをそのまま庭石としたものだとか。でもそんなおどろおどろしい印象はありません。

 

 

 

 

 

 

本当に「去りがたい」とはこんな気持ちなのかと最後に思いました。もう来年までさようなら。来年も絶対観に来たい美しい紅葉とお庭でした。