17本目。

監督:安田淳一
キャスト:山口馬木也、富家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎
2023年日本映画。週末に鑑賞。たまたま前日の情報番組で紹介されていて知りました。当初は予算面から断念しそうになっていたところ、脚本が面白いのでなんとかしたいと撮影所側からのサポートもあり、撮影が実現したとのことです。わずか2600万円の低予算で製作され、撮影の後で口座には7000円を切る金額しか残っていなかったと監督が仰っていて。当初は東京・池袋の映画館一館のみで上映していたのが、人気が広がって現在は全国で上映されているとか。監督は京都の方で普段は農業に従事されているそうです。
ストーリーは幕末の武士が雷に打たれて現代にやってくるところからはじまります。で、降り立った(?)ところが(多分)、太秦の撮影所という。この後のあらすじはこれからご覧になる方がいたら、知らないほうが良いと思うので書かないでおきますが、2時間を超える上映時間が全然長編に感じないくらい、あっという間に思えたとてもよくできた作品でした。
主役の山口馬木也さん、朴訥とした生真面目な会津の田舎侍を演じておられるのですが、本当に会津の人にしか見えませんでした。あの時代の日本人が現代にやってきたらこんな反応するのかっていう場面が最初は面白くて。そのお侍さんが現代の日本で、いちごのショートケーキを口にして、そのおいしさに感動して泣いてしまう場面がありました。彼は日本がこんなに豊かで誰もがこういう食べ物を口にできる時代になっていることを喜ぶのです。でも現代の日本で生きるうちに決してその後の日本は喜ばしいことばかりではない、ということに気づいていく、というか見ている我々が気づかされるような展開です。
それは物質面での豊かさの反面での精神面での堕落というか。これ、情報番組で紹介をしていた今田耕司さんも仰ってたのですが、面白いという感想だけではなく、「現在の日本と日本人」のことをすごく考えさせられてしまう作品でした。幕末の時代の「武士」は幕府側であれ、倒幕側であれ、自身の利益よりも日本のことをより大切に考えていたことが強く伝わってきましたし、「侍」としての心のありようもとても印象的でした。上映が終わった時に拍手が聞こえてきました。日本の映画館では珍しいですがそれだけ伝わるものがありました。
撮影は関西の各所でされているようです。エンドロールをみていたら結構行ったことのある場所の名が多く出てきて、また行ってみたいと思いました。


監督:安田淳一
キャスト:山口馬木也、富家ノリマサ、沙倉ゆうの、峰蘭太郎
2023年日本映画。週末に鑑賞。たまたま前日の情報番組で紹介されていて知りました。当初は予算面から断念しそうになっていたところ、脚本が面白いのでなんとかしたいと撮影所側からのサポートもあり、撮影が実現したとのことです。わずか2600万円の低予算で製作され、撮影の後で口座には7000円を切る金額しか残っていなかったと監督が仰っていて。当初は東京・池袋の映画館一館のみで上映していたのが、人気が広がって現在は全国で上映されているとか。監督は京都の方で普段は農業に従事されているそうです。
ストーリーは幕末の武士が雷に打たれて現代にやってくるところからはじまります。で、降り立った(?)ところが(多分)、太秦の撮影所という。この後のあらすじはこれからご覧になる方がいたら、知らないほうが良いと思うので書かないでおきますが、2時間を超える上映時間が全然長編に感じないくらい、あっという間に思えたとてもよくできた作品でした。
主役の山口馬木也さん、朴訥とした生真面目な会津の田舎侍を演じておられるのですが、本当に会津の人にしか見えませんでした。あの時代の日本人が現代にやってきたらこんな反応するのかっていう場面が最初は面白くて。そのお侍さんが現代の日本で、いちごのショートケーキを口にして、そのおいしさに感動して泣いてしまう場面がありました。彼は日本がこんなに豊かで誰もがこういう食べ物を口にできる時代になっていることを喜ぶのです。でも現代の日本で生きるうちに決してその後の日本は喜ばしいことばかりではない、ということに気づいていく、というか見ている我々が気づかされるような展開です。
それは物質面での豊かさの反面での精神面での堕落というか。これ、情報番組で紹介をしていた今田耕司さんも仰ってたのですが、面白いという感想だけではなく、「現在の日本と日本人」のことをすごく考えさせられてしまう作品でした。幕末の時代の「武士」は幕府側であれ、倒幕側であれ、自身の利益よりも日本のことをより大切に考えていたことが強く伝わってきましたし、「侍」としての心のありようもとても印象的でした。上映が終わった時に拍手が聞こえてきました。日本の映画館では珍しいですがそれだけ伝わるものがありました。
撮影は関西の各所でされているようです。エンドロールをみていたら結構行ったことのある場所の名が多く出てきて、また行ってみたいと思いました。
