本当に体験した怖い話

 

ネタ帳から。20代、海外暮らしをしていた頃のことです。結構治安の良い国と思われているオーストラリアですが、決して日本ほど安全安心ではありません。私が暮らしていた沿線の治安は真ん中くらい。昼間はいいけれど夜は危ないので夜間の外出時は基本的に電車は使わずタクシーで帰宅していました。

 

その日は仕事が終わってからディナーを楽しみ、ミュージカルを鑑賞しました。終演の頃は既に11時を過ぎていました。本来ならタクシーを拾うべきところを、電車に乗ってしまった。その日はディナー、チケット代とかなりお金を遣ったので、ケチってしまったのです。

 

深夜の電車はお昼間とうってかわって、めっちゃガラが悪くてびっくりしました。いかにもアル中な人や全身にタトゥーをいれた人とか、怪しい人が乗ってます。乗客が大勢いればそれはまた安心ですが一両に10人もいなかったのではないかな。それも怖そうな人ばかり。ああ、ちゃんとタクシーに乗ればよかった・・って少し後悔し始めていました。

 

私の席からわずかに離れた斜め前あたりに中学生になるかならないか?、もしかしたら11歳か12歳くらいの子供が2人で乗っていました。男の子と女の子です。兄弟ではなさそうです。大人の付き添いもいません。これは海外では珍しいことです。「この子たち二人で乗ってるの?」ってふと思いました。

 

突然女の子のほうが気持ち悪そうな顔をしてシートにうつ伏せて唸り声を上げ始めました。その女の子は顔色が悪く、子供なのにとても疲れた顔をしているんです。それも妙でした。男の子は怪訝な顔をして彼女を見ていますが何もしません。へんにすわった目つきをしていて動物のような目でした。「え。何が起こったん?」とは思ったものの、あの怪しい雰囲気の車内で彼らに「大丈夫?」とか声をかける勇気は私になくて、ひたすら沈黙。でも気になったので時々、ちらちら、とみてました。

 

その女の子はまた唸り声をあげ、身体の向きを変えてバタンと倒れました。その時に何かが床に落ちました。で、その何かがコロコロ・・と転がりだしました。なんと注射器でした。一緒に血がついたコットンも床に落ちたのも見えて、「あ!!」って思いました。この子たち、クスリ打ってるんだ。それもあかんやつ。( ゚Д゚) 

 

そうこうしている間に途中の停車駅に。深夜なのにその子たちの友達らしきキッズがホームで彼らを待っていました。おそらくラリッてたのかどの子も様子が変。その女の子はまた奇声を発しながらふらふらと電車から降りたとたん、悲鳴をあげてバタンと倒れ、ホームの上で「大」の字になりました。そこで電車が発車。えらい光景を見てしまいました。外国で暮らしていた時は時々、えっ!?て思うようなことと遭遇したけれど、これもそのひとつでした。

 

写真は3年前の10月。小浜市内で。

 

 

 

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