15本目。

 

 

原題:Philomena

監督:スティーブン・フリアーズ

キャスト:ジュディ・デンチ、スティーブ・クーガン

 

イギリスでベストセラーとなったマーティン・シックススミスによるノンフィクションを映画化し、50年前に生き別れた息子を探し続けた女性の姿を、「クィーン」のスティーブン・フリアーズ監督、名優ジュディ・デンチ主演で描いた。1952年、アイルランド。18歳で未婚の母となったフィロメナは親から強制的に修道院に入れられ、3歳になった息子のアンソニーはアメリカに養子に出されてしまう。それから50年後、イギリスで娘のジェーンとともに暮らしていたフィロメナは、手離した父親違いの息子の存在をジェーンに明かす。ジェーンが偶然知り合ったジャーナリストのマーティン・シックススミスとともに息子探しの旅に出たフィロメナは、アメリカの地で思いもよらぬ事実を知ることになる。~映画.com~

 

2013年イギリス・アメリカ・フランス・イギリス合作。最近はあまり簡単に泣くこともなかったですが、この映画を観て久しぶりに涙しました。😢 50年間生き別れの息子を探し続けた母親の話です。これはもうこの女優さんの演技がすばらしすぎて。ジュディ・デンチは現代のイギリスを代表するともいえる大女優です。四半世紀くらい前の作品ではビクトリア女王の役でとっても威厳ある姿をみせてます。が、この映画の中でジュディ・デンチが演じる母親は本当に田舎を出たことのない無知な気のいいおばちゃん、そんなふうにしか見えない。別れた時の母のことは覚えてなかっただろう息子も長じてからずっと母を探し続けていました。そんなことがあったのかという結末です。息子はゲイだったので子供がいません。母はその事実を知った時もなんら驚くこともなく3歳の時の息子はとても繊細な子だったからそうだったのでしょう、とうなずく場面。母だからこそ子供の気質、性質のことをちゃんと見抜いていたということです。お母さんだからこその視点、深い愛を感じました。彼女が子供を産んでから数年を過ごした修道院のおぞましい状況が大変衝撃的でした。現代になって男子修道院でも子供への性的ハラスメントなことが暴露されていたりするけれど、この映画でも子供の人身売買とか奴隷のように働かされる若い修道女たちとか。「それでも自分たちは正しいことをしている」というシスターたちの表情に唖然とする、というか、なんともいえない胸がつまるような感覚を覚えました。