9本目。

 

 

原題:Petite maman

監督:セリーヌ・シアマ

 

大好きだった祖母を亡くした8歳の少女ネリーは両親に連れられ、祖母が住んでいた森の中の一軒家を片付けに来る。しかし、少女時代をこの家で過ごした母は何を目にしても祖母との思い出に胸を締め付けられ、ついに家を出て行ってしまう。残されたネリーは森を散策するうちに、母マリオンと同じ名前を名乗る8歳の少女と出会い、親しくなる。少女に招かれて彼女の家を訪れると、そこは“おばあちゃんの家”だった……。~映画.com~

 

2021年フランス映画。不思議な話。少女が森の中で子供の頃の母と出会うのです。そして彼女の家にいくと若き日の祖母(少女の母)がいます。少女二人は一緒に遊んだりする仲に。マリオン(子供時代の母)の誕生日を祝う場面があります。その時、映像は少女二人のそばに若い母親・・なのですが、これは祖母、母、主人公のネリーの三代の女性たちがその場に集っていることになります。不思議な思いで観ながらも心が温かいもので満たされるような気持ちになりました。母親にも自分と同じ少女時代があった・・祖母にも溌剌とした若い母親の時代があった・・その歴史が今の主人公である少女のいまの命に繋がっている・・静かな感慨でした。

 

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この映画を鑑賞する更に一か月半前(一月)に伯母の葬儀で帰省していました。叔母の家でいとこたちが亡くなった祖母(伯母の母)の若き日の写真を見つけてきました。昭和10年代後半、戦争に出征する祖父を囲んで一族が集まって撮影した時のものでした。嫁いで5年目の若いお嫁さんだった祖母の姿に皆が「おばあちゃん、めっちゃかわいいやん!」と感嘆の声をあげていました。亡くなった伯母は当時まだ3歳くらいの幼児の姿で映っていました。いまの私よりもずっと若い、まだ少女の面影さえ残っている祖母の姿。印象深い出来事でした。その一か月後にたまたまアマプラでこの映画を観ましたが映画のストーリーについては全く前知識なしの状態でした。ちょっと時間ができて、75分程度と短い時間だったので観てみようかな、と。そうしたら主人公の祖母が亡くなる場面から、昔の母や祖母に出会うという展開で。なんだか不思議な巡り合わせを感じました。