10本目。
原題:Mrs.Harris Goes To Paris
監督:アンソニー・ファビアン
キャスト:レスリー・マンヴィル、イザベル・ユベール
舞台は1950年代、ロンドン。戦争で夫を亡くした家政婦がある日働き先で1枚の美しいドレスに出会います。それは、これまで聞いたこともなかった、クリスチャン ディオールのドレス。450ポンドもするというそのドレスに心を奪われた彼女はパリへディオールのドレスを買いに行くことを決意。新しい街、新しい出会い、そして新しい恋・・・?夢をあきらめなかった彼女に起きる、素敵な奇跡。~映画.com~
2022年。製作国がハンガリー、イギリス、カナダ、フランス、アメリカ、ベルギーと多国に渡る作品で、舞台はパリとロンドン。シックなヨーロッパ映画かと思ったら完全なアメリカ映画でした。こんなに物事がうまくいくはずないやん、みたいな展開ですが、わかりやすくて、ハッピーエンドで、温かい気持ちになれる作品でした。
女性らしいラインを活かしたディオールの芸術作品のようなドレス、それを身に纏う美しいモデルさんの姿は眼福でした。この映画の時代設定となった1950年代後半はディオールのようなハイブランドが一部の富裕層のみの特権とされた時代から、香水やプレタポルテ(高級既製服)など庶民もそれにアクセスするようになり始めた、ブランド側も戦略転換を迫られた時代。パリの街角の各所でストライキの場面があって、労働者らの力が拡大してくる様子が象徴的に表れているように思いました。
あと、主人公はロンドンで働く家政婦さんなのですがそれぞれの仕事先の家のインテリアや内装もとても印象的でした。イギリス人は何よりも住居のことにお金と情熱を使う人たち。使われている家具、壁紙(ウィリアムモリスのとか)、ソファやそれらの配置などクラシカルなイギリスの雰囲気が素敵でした。主人公が身に付けているお洋服もリバティプリントでかわいくて。この日はぼーっと観てて楽しめそうな作品を探していたのでちょうどよかったです。暑いとあまり難しいことを考えたくないので。💦