5本目。
原題:TITANIC
監督:ジェームズ・キャメロン
キャスト:レオナルド・デカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ
1912年、イギリスのサウザンプトン港から豪華客船タイタニックが処女航海に出発した。新天地アメリカに夢を抱く画家志望の青年ジャックは上流階級の娘ローズと運命的な出会いを果たし、二人は互いに惹かれ合う。そこにはローズの婚約者である資産家キャルや、保守的なローズの母親などの障害が横たわるが、若い二人はそれを超えて強い絆で結ばれていく。しかし、航海半ばの4月14日、タイタニック号は氷山と接触。船は刻一刻とその巨体を冷たい海の中へと沈め始めていた……。~All Cinemas~
1997年アメリカ映画。昨夜とその一週間前、二回に分けて放映されていたあの名作を久しぶりに鑑賞しました。今年はまだ映画鑑賞5本目。過去数十年で一番映画を観てない年です。一回目の放送直前に潜水艦事故があったことも大変皮肉なことでした。25年前の作品です。上映当時、私は海外で仕事をしていて、仕事帰りに映画館でこの作品を鑑賞しました。巨額の予算を注ぎ込んで製作された作品だけあって、そのスケール感はスクリーンで見ると格別でした。
最近、テレビの特集番組で知ったのですが、ジャックとローズは実際に乗船していた複数の人物がモデルになっており、彼ら彼女らの人生の断片を継ぎ合わせてつくりあげたキャラクターなのだそうです。あの豪華客船には貧しい画家志望の男性が結婚したばかりの妻と乗船していました。また別のカップルもいて、救命ボートに女性と子供しか乗れなかった時にボートが降ろされる直前に夫と離れたくなくて客船に戻り、共に運命を共にしたとか。脚本も手掛けていたキャメロン監督は多くの乗船客たちの希望と絶望と無念の想いを二人の人物に凝縮したのでしょう。また今回観ていて物語の最初の部分に多くの伏線が張られていたことにも気づきました。そして最後の場面、ホールの階段のところでジャックがローズを待っているシーン、後ろに壁時計がかけてあるのですが、その時計が指し示していたのは実際にタイタニックが沈没した時刻なんだそうです。初めて鑑賞した当時はそんなことは全く知らなくてただただ、二人の悲恋の物語に浸っていましたが、脚本や演出もかなりの調査の上に練り上げて作られたものだったのですね。
今回印象に残ったのはあんな生死に直面する事態でもプロフェッショナルな姿勢を崩さなかったひとたち。避難する乗客らがパニックに陥らないようにと甲板で演奏を続けていた音楽演奏者らがいました。うち一人が「誰も自分たちの演奏なんて聴いてないよ」と言うと、もう一人が「それはディナーの時も同じだ」なんていう。最後の最後、仲間に「一緒に仕事してこれて良かった」と相手へのリスペクトと感謝を言葉にできたりする。最後までひとりでも乗客の命を助けようと奔走した乗員のひとたちもいました。その人の生きざまみたいなのがみえるようでした。
25年ぶりに鑑賞して・・私自身はジャックとローズの世代から彼らの親世代の年齢になってしまいました。歳をとった分、若い二人の危うさを心配する親の気持ちもなんとなくわかるような気がしました。今回、テレビ音声を英語にして鑑賞しましたが、ここ5-6年、全く英語と無縁の暮らしをしている割には懸念していたほどリスニング力は落ちてないように思いました。でもかつてと同じ仕事に復帰できるかどうか。また浸水シーンや暴力シーンなどへの心の耐性が落ちているように思いました。そんな場面になると怖くて目を背けてしまう。昔に比べてメンタルが随分弱くなりました。そして四半世紀経っても感動は変わってなかったのは嬉しい発見。セリーヌ・ディオンの歌も好き。やっぱり映画はいいな。今年後半はもっと映画を観に行きたいと思います。