福井県に6年以上も住んでいてまだ一度も行ったことのなかったあわら温泉。先週末にようやく行けることに。福井県の北の端っこにあり、もう少しで石川県というところです。「あわら」は「芦原」と書き、かつては葦が繁る地だったのかと感じるような嶺南にはない平地が広がる場所でした。関西の奥座敷ともいわれた温泉街ですがあまりにも人がいなくてちょっと寂しさを感じるほどだったというのが正直な感想。宿泊先はここにしました。
風格のある玄関のつくりは宮大工さんが創業当時のままに再現したものだそう。ロビーも重厚な感じ。ガラス窓の向こうに立派なお庭が見えました。
ここを選んだ理由は、スタッフの方やサービスに対するクチコミがとても良かったことと、お座敷とは別に寝室があったこと。
お座敷の奥にベッドのある寝室。
建物は古かったですが、隅々まで清められて、とてもきれいで、各所に生け花が飾ってありました。そしてお手洗いやエレベーターなど閉鎖的な空間には隅っこに「匂い袋」がかけられていて、どこにいてもお香のいい香りが仄かに感じられました。
お部屋に案内されてから出してもらったお菓子とお茶。テーブルの上にかけられたレース編みが懐かしい感じですよね。右側の湯飲みは九谷焼きかな。
担当の中居さんは若いフレンドリーな感じの方でした。ネットのクチコミ通り、総じてここのスタッフの皆さんは親切で感じのいい方ばかり。暖かいおもてなしをしていただきました。
温泉は一階に。夕方に入って、夕食後、寝る前にまた入って、翌朝も、と3回も入りました。温泉旅館ならではの広々とした湯舟とたっぷりのお湯は気持ちいいのひとこと。そうそう、ここは岩盤浴もあり、もちろん利用させてもらいました。岩盤浴をするのも実に3年以上ぶりでした。
さてこの日の夕食はこちらで。半個室になったこんな感じのお部屋でした。
といっても壁が天井までないので多少は両隣のお客さんの声とかも聞こえてきましたが、気楽に食事できて良かったです。
先付けの写真は取り忘れたので二品めから。お造りです。
上に載っている白いモノは大根を薄く薄くスライスしたもの。それを外すとお刺身が現れます。まるでふわっと雪がかかっているかのような演出でした。普通なら細く切ったつまが添えてあるのにね。
日本海の魚は何を食べても美味しいです。
八寸。ここはいろんな食感、味付けのお料理が並んでいる感じ。右端から二番目のうどの生ハム巻き揚げが気に入りました。奥のほうに隠れているけれど、ここで出してもらった「へしこ」は柔らかでかつクセもない濃いめの味。レモンが挟んであったけれどクエン酸と反応すると美味しくなるのかな?
若竹煮。
若狭牛のしゃぶしゃぶ。
いいお肉だけれどやはり福井県は肉よりも魚です。
桜花饅頭。
最後にさっぱりと、とこんなところでホタルイカの酢味噌かけ。
ピントがぼけてしまいましたが山菜ごはんと吸い物。お漬物がどれも美味。パリパリ、ボリボリ・・全部いただきました。
デザートは桜ムースの葛包み、真ん中の人参カステラ(これ、とっても小さいひとくちサイズ!)、果物の抹茶ソースがけ。
量的にもちょうどよく、料理人の方のセンスの良さを感じるお料理でした。
食事の後はまた温泉に入り、お風呂上りにマッサージをお願いしました。マッサージ自体も受けるのは何年ぶりやら!最後は疲れと気持ちよさで頭の中がとろんとろんになりました。12時頃就寝。これで一日目は終わりです。私は旅先でも貧乏性なのが出て、せかせか動いてしまいがちです。何もせずゆっくり過ごすのもいいなと思いました。続きます。