かつて北陸五大船主のひとりであったという元北前船主の邸宅が一般に公開されています。以前から越前海岸の地図をみるたびに気になっていたところでした。先週、越前まで出かけた日に通過することになったので寄ってみることに。
北前船というのは江戸中期~明治期に大坂と北海道を結んで商いをしていた廻船のことをいいます。日本海側にはかつて北前船で栄えた港だったという街が多くあり、北陸を旅していると当時、北前船で財をなした商人の家とかが各地にあります。確か小浜港もそのひとつだったし、おぼろ昆布で有名な敦賀も北海道から運ばれた昆布を加工する産業が栄えてました。
道路に面した母屋のほうは入り口までは撮影可でしたが、建物自体が個人所有のものなので中に入っての撮影は遠慮くださいとのことでした。右近家の系譜や資料などが多く展示されていました。右近家は当時の有力船主だっただけでなく、のちには海上保険業に進出して日本海上保険株式会社(いまは損保ジャパン)を設立しました。イギリスでも海上保険は有力船主やその関係者がコーヒーハウスに集まって設立されたというのがはじまりだったけれど(ロイズとか多分。記憶違いだったらごめんなさい。)、日本も同じような感じだったのですね。
立派な建物。当時の繁栄ぶりが伺えます。
裏には西洋風庭園。
裏山にある西洋館は写真撮影OKでした。そちらに向かいます。目の前は日本海。
上のほうにあるシャレーみたいなのがそれ。気候も暑くもなく寒くもなく、な良い時期です。この時期の日本海はとても穏やかで海の色が本当にきれい。
日本海が一望できます。これは絶景。
西洋館は国登録の有形文化財。スイス風とスペイン風を共に取り入れた建築なんだそう。重厚な雰囲気と自然を見下ろすバルコニーはどことなく、京都・大山崎の大山崎山荘美術館に似てるような感じもしました。
こういうところスペイン的ですね。
屋内。タイル張りのところもスペインぽい。寒い土地なのに南国スペインの様式を取り入れたのは一家が夏にここで過ごすためだったからなのだそう。夏場はタイル貼りの床ってひんやりして気持ちいいですものね。
一階、ダイニングルーム?
建築の知識がもっとあればどこに注目すべきかとかわかるのだけど、その辺が疎くてよくわからない。ここもスペイン風タイルがとてもかわいいなと思いました。いただいたパンフレットによると暖炉の左は人が座れるようになった「イングルニック」というものなんだそう。
二階にあがります。ステンドグラスには帆船の絵が。
スイス風シャレーの外観ですが内側は純和風です。
わからないなりにもこれからもいろんな建築を見てみたいなと思いました。