京都国立博物館で開催されていた茶の湯展を鑑賞してきました。こちらは旧本館。1895年片山東熊設計の宮殿建築。前にはロダンの代表作「考える人」。「考える人」は世界に21体あり、日本には4体あります。(東京、静岡、名古屋、京都)

 

 

 

 

 

大学生の頃に旧館のほうの展示を観にきて以来・・かもしれない。懐かしいです。企画展は新館のほうで。今回初めて入りました。

 

 

 

奈良時代に中国からもたらされた喫茶文化についての展示からはじまり、僧侶の儀式に使われていた茶が時代の変遷とともに武士・町人たちの手に。大陸からの異文化が日本の土壌の中で変化し、「茶の湯」という独自の文化が成り立つまでの流れが時系列に展示されているかたちでした。その展示品の数の多いことに加え、国宝・重文が次々と並んでいて壮観でした。

 

6年前に東京国立博物館でも「茶の湯」展を鑑賞しましたが、それに匹敵するくらい素晴らしい内容でした。上野で目にしたお茶碗で、たまたま覚えていたのがあって、それがここでも展示されていて久しぶりの再会だったり。世界に3つしかないといわれている曜変天目茶碗(龍光院)の展示もありましたが、私が訪れた日はミホミュージアム所蔵のものに変わってました。以前に東京でみた曜変天目はその小さい茶碗の中に宇宙を観るがごとく、非常に幻想的で一度みたら忘れられない美しいお茶碗でした。今回、茶の湯展のことに気づくのが遅すぎて機会を逸してしまって残念でした。

 

 

私自身はその昔に8年ほど茶道を習ってました。このため、馴染みがあるのはやっぱり千利休が登場して以降の茶の湯展示でした。秀吉の黄金の茶室、利休のわびの茶室がそれぞれ再現されている展示もありました。わびの茶室は実際いまも京都・山崎に国宝として残されています。利休茶室はわびさびを追求した茶室、秀吉茶室は豪華絢爛、壁、天井、柱まで全て金張りで、180度対照的な感じでした。わびさび茶室は心が落ち着きそうだし、哲学するのにも合う高尚な感じがするけど、秀吉のキラキラ茶室は万人にわかりやすいし、気持ちさえ明るくなる感じ。

 

また畳の数を数えると内部はたった2畳という極小空間だったことも印象深かったです。そこに炉を切り、お床があるのです・・が、昔の畳の規格がいまと違うのかもしれないとはいえ、私の目にはもっと広い空間(4畳半くらい?)に見えました。無駄なものを極限まで削るとこんなに広く見えるのかしら?と。スティーブ・ジョブズは日本文化のこのミニマリズムを愛しました。このミニマリズムの極みの茶室に身をおいたら私も何かインスピレーションを得られるかな?って思ったり。

 

通常は5時閉館なのですがこの日は金曜日だったので開館時間が8時まで延長されていました。そのおかげで最後までゆっくり鑑賞できました。こんな企画展は通常なら1時間~1時間半くらいで出てくるのだけれど今回はその倍くらいの時間、滞在してしまいました。

 

・・ということで博物館から出たらもう日が暮れてました。夜空に月がきれい。

 

 

 

夜の旧館はまた雰囲気変わりますね。

 

博物館敷地内にある前田珈琲店に寄りました。茶の湯の展示ばかりみていたら急に抹茶と和菓子が恋しくなって。。。笑 抹茶と麩饅頭を。窓の向こうにぼんやり見えるのは博物館旧館です。

 

 

 

この時点で午後7時くらい。このあとはバスで京都駅へ向かい、JRで帰りました。この夜、京都駅前の京都タワーはサムライブルーに。昨夜のクロアチア戦、残念な結果ではありましたが、日本の選手の活躍は素晴らしかったと思います。