25~26本目。久しぶりに映画の感想。

 

 

監督:岩井俊二

キャスト:三上博史、江口洋介、Chara、伊藤歩、渡部篤郎

 

むかしむかし、“円”が世界で一番強かった頃、いつかのゴールドラッシュのようなその街を、移民たちは“円都(イェンタウン)”と呼んだ。でも日本人はこの名前を忌み嫌い、逆に移民たちを“円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んだ。ここは円の都、イェンタウン。円で夢が叶う、夢の都。・・・・・・そしてこれは、円を掘りにイェンタウンにやって来た、イェンタウンたちの物語り。~Filmarksより~

 

1996年日本映画。少し前に新聞隅のコラムにこの映画のことが書いてあったのが鑑賞のきっかけ。バブル期の日本に円を稼ぐためにやってきた移民の人たちの物語です。強い円を求めてやってくる人たちのその凄まじいまでの生命力。多くの日本人には無縁の世界かもです。私は作品公開当時、海外で働いていました。経済的、政治的理由から母国を出て移民してきている人たちが身近にいました。彼らの姿と重なります。当時の多くの日本人は守られた環境で暮らし、お金の不自由もなく、多少不自由ある人たちも「自己実現のために海外にいる」という恵まれた環境にいました。生きる力が全然違う感じがしてました。映画は独特の映像、世界観でした。観終わってからもCharaの歌声が頭の中でリフレインするような映像も音楽も印象に残る作品でした。

 

 

原題:And Life Goes On

監督:アッバス・キアロスタミ

 

イランの名匠アッバス・キアロスタミによる「ジグザグ道3部作」の第2作で、1990年のイラン大地震後、前作「友だちのうちはどこ?」の出演者たちの安否を確認しようと被災地へ向かう監督親子の旅を再現したロードムービー。~映画.com~

 

1992年イラン映画。少し前に観た同監督の有名作品「友だちのうちはどこ?」の続編がアマプラにあがっていたので観ておこうと。キアロスタミ自身を演じた役者さん、役人をしている素人の男性なのだそうです。でもとっても自然な演技で全く違和感なかったです。ジグザク道三部作といわれてます。映画の中で象徴的に出てくるジグザグ道が今回も映像に現れた時、地震前の長閑な村のことが思い出されてとても切ない気持ちになりました。地震で村が壊滅し、家族が亡くなった人たちもたくさんいて、同じ地震国に住む私たちも他人事ではないように思いました。前作同様、淡々と進んでいく内容でしたが、生き残った人たちが地震で家が崩れたのも、家族が亡くなったのも、自分が生き残ったのも「神の思し召しだから」と言うところが印象に残りました。