奈良の旅、次は薬師寺からすぐの距離にある唐招提寺へ。こちらは今回初めて行きました。世界遺産です。見上げる扁額が渋い。
南大門をくぐり、参道の先に迫る金堂。8世紀後半の建造です。
ずっしりと威容を感じる佇まいです。正面の柱は中央から上部に少しづつ細くなっていくエンタシスの造り。遠くギリシャの建築技法です。こうした技法までもが遠い昔、シルクロードを超えて日本に伝わってきたのですね。技術者集団がたくさんやってきたのでしょう。当時の奈良ってすごい国際都市だったのでしょうね。
講堂。これも国宝。8世紀後半。平城宮の東朝集殿(ひがしちょうしゅうでん)を移築・改造。往時の面影を唯一留める建築物。
国宝・重文がひしめく境内です。たった一度の訪問だけでは吸収できない密度でした。
唐招提寺は鑑真和尚が眠るお寺です。お墓にもお詣りしました。唐招提寺で印象に強く残ったのは圧巻の金堂とお墓に至る道です。境内の奥のほうへ続きます。崩れそうな土壁に指す秋の日差し。
苔むしたお庭。
正面で手を合わせました。鑑真は日本に戒律を伝えた人です。来日のおり、日本に向かう船が何度も難破したり弟子から妨害されたりして、本人も失明し、とても苦労されました。6度目(754年)のチャレンジで屋久島に漂着しました。1300年近く昔のことです。当時は海を渡るということが宇宙に行く以上に困難で命がけだったのだろうなと思います。
紅葉はまだわずかです。
一通り境内を歩いてから外に出て、バスで近鉄奈良駅まで戻りました。一日にあまりたくさん寺社を訪れても印象がごっちゃになってしまうのでもうこのくらいにしておきます。駅横の商店街で前日に見つけたかき氷やさんに行ってみました。
お茶屋さんに併設されているカフェです。夏場は行列ができているほどなのだとか。
ほうじ茶シロップをかけたふわふわかき氷。中には葛餅が入っています。仄かなほうじ茶の風味と甘さでとても美味しいです。疲れがとれるようでした。まだ早いけれどこの日はこれで終了です。