23~24本目。

 

 

監督:月川翔

キャスト:浜辺美波、北村匠海、上地雄輔、小栗旬、北川景子

 

高校時代のクラスメイト・山内桜良の言葉をきっかけに教師となった“僕”は、教え子の栗山と話すうちに、桜良と過ごした数カ月間の思い出をよみがえらせていく。高校時代の“僕”は、膵臓の病を抱える桜良の秘密の闘病日記を見つけたことをきっかけに、桜良と一緒に過ごすようになる。そして桜良の死から12年後、彼女の親友だった恭子もまた、結婚を目前に控え、桜良と過ごした日々を思い出していた。

(映画.com)

 

2017年日本映画。そういう人が多いかもしれないけど、このタイトルをみるとどうしても避けてしまってた作品でした。高校生の純愛ドラマかと思ってみたらそうでもなくて。これもまた思いがけない展開。こんなストーリーだったとは。久しぶりに映画を見て涙しました。二人の関係性は恋愛という感じでもなかったようにも思います。「男女という関係性だから恋愛」というカテゴリーに嵌めたくないとも感じました。桜良と恭子の友情も印象的。当初は恭子の幼稚さが目立って面倒な関係にも見えたけれど、大人になるとこれほど相手を思いやる友人関係はなかなか築けません。互いの幸せを願いあう関係もとても素敵だと感じました。

 

 

原題:Une Aussi Longue Absence

監督:アンリ・コルピ

キャスト:アリダ・ヴァリ、ジョルジュ・ウィルソン

 

パリでうらぶれたカフェを営む女の所に、ある日突然現れた浮浪者。驚愕する女主人。彼は戦場に行ったまま行方不明になっていた彼女の夫に瓜二つだったのだ。しかし浮浪者は過去の記憶を全て失っていた……。(allcinema)

 

1960年フランス映画。30年ほど前に「ラ・マン(愛人)」という仏英合作の恋愛映画を観たことがありました。鑑賞後いつまでも残る余韻に「フランス映画っていいなあ・・。」と、ハマりつつあった頃です。原作者マルグリッド・デュラスの他の作品として、観たいと思っていた映画でした。

 

物語の舞台はパリ。戦後16年間、行方不明だった夫にそっくりな男性が記憶喪失者として現れます。妻・テレーズはその男性を夫と信じて疑わないけれど、夫の叔母や甥はそれには懐疑的。見ている側も結局最後までこの男性が夫なのかどうかわからないんです。夫の記憶を呼び覚まそうとして彼の好きだったチーズを食べさせ、過去の話をするテレーズ。映画ポスターにあるようにレコードをかけて、二人で踊る場面があります。その時、テレーズは彼の後頭部に彼が収容所で受けた拷問の跡を見つけてしまいます。その時のテレーズの絶望的な表情に心がギュッとなります。

 

男性は途中でテレーズの元から逃げ出します。背後から追いかけるテレーズ。人々が大声で「アルベール・ラングロワ!」と彼の名前を呼びます。その瞬間、男性は立ち止まり、怯えるように両手を挙げます。戦争中に彼が受けた心の傷が抉り出されるような場面です。映画の中に戦争の場面は一切出てこないのに、戦争が人々の心に残した深い爪痕、その痛みがひしひしと伝わる作品でした。

 

今回は感動的な映画を続けて二本観ました。「君の膵臓を・・」は現代が舞台なので、わかりやすく、共感しやすい作品でしたが、あとに引く余韻、心を揺さぶられる感覚は後者の作品のほうが強かったです。世界的な名作ですものね!主人公役のアリダ・ヴァリはイタリアの女優さんです。「第三の男」のラストシーンの印象が強烈すぎて他に彼女の出ている作品をすぐに思い出せないほどでしたが、これもアリダ・ヴァリの作品だったのだなあと。まだまだ観てない名作が多すぎます!💦