駅近くの駐車場に車を停めて、天王山中腹に建つ美術館に向かって歩きます。
この美術館を訪れるのは二度目。前回は15年くらい前に来ました。タクシーやバスなら門の近くまで乗せてきてもらえますが、電車・マイカー利用者は歩くしかありません。歩くうち当時の記憶が蘇ってきました。ここは加賀正太郎さんという実業家の別荘。若き日にイギリス・ウィンザー城を訪れたとき、そこから眺めた風景に似ていると気に入ったことからここに別荘を建てたのだそう。現在はアサヒビールが管理しています。そういえばこのすぐ近くにはサントリー・山崎の蒸溜所もあります。大山崎は水のきれいな場所なのでしょう。建物は大正時代に建てられました。延々と緩い坂道が続きます。
敷地内は公園みたいです。あいにくの曇り空なので映えませんが美しい新緑に包まれて、素晴らしい環境でした。門に到着。
お茶室。
ずっしりとした建物がみえてきました。レンガ造りのとても重厚なヨーロッパ的な建物です。高い煙突~。
内部は写真撮影禁止なので、以降の写真はありませんが、本当は外観よりも英国風(チューダー・ゴシック様式)に作られた内部がみどころだらけのところです。展示されているアート作品を見に来たというよりは建物の中を見に来た、みたいな印象が残るくらい内装が素晴らしいのです。
本館から続く地中館。安藤忠雄さんの設計です。
コンクリートとガラスを使った建物は不思議とクラシックな本館と違和感がありません。この建物は周囲との景観の調和をはかるために半地下構造になっていて、ここにはモネの「睡蓮」が展示されています。展示室の周囲はガラス張の窓と新緑に囲まれていてとてもいい雰囲気。
入り口。
本館での所蔵作品はモネのほか、印象派以降の作品、河井寛次郎、バーナード・リーチらの焼き物作品、李朝家具など内装と調和して美しく配置されてます。当時の贅を凝らした美しい内装。この場所あっての展示という感じさえしました。
一通り作品を観てからは館内のカフェで休憩しました。ここでは撮影OKです。ケーキはロイヤルホテル製です。
イギリス・ウインザー城には行ったことがないですが、こんな眺めなのでしょうか。イギリス人て田舎暮らしに憧れている人が多くて、裕福な人は都市部とは別に地方にこういうお家を持ってる感じ。イギリスはどちらかというと地方にいってこそなくらい田舎が美しく、本来のイギリスはそこにあるように思います。若き日の加賀氏もそれに魅せられたのでしょうね~。