高野山境内で主な見どころは三か所あります。地図左端の大門から入って、順番に檀上伽藍エリア、金剛峯寺、そして右端が高野山のハイライトの奥之院です。最低限、高野山ではここだけは行きましょう、というところです。私も最初は「高野山の核」となる場所、檀上伽藍へいきました。

 

下の写真は最初にくぐる中門です。1200年の節目として再建されたものなのでまだとても新しいです。新しいものはそれはそれで往時の輝きを想像できていいなと思います。

 

 

 

ここの印象はとにかく「大きくて圧倒される」といったものでした。諸堂の配置は密教の思想を具現化したもので曼荼羅の世界を表わしているのだそうです。私はそんなことを知らずにこの場に入りましたが、感覚的にそれぞれの建物の配置が非常に美しいと感じました。上から鳥の目で観たら曼荼羅の絵をみるようにわかりやすかったのかもしれませんが、地上に立って全体を見上げても、諸堂の間隔や空間の置き方がひとつのリズムを作っているように見えました。広い場所なんだけれど無駄が一切ない感じ。

 

 

 

 

門をくぐって最初に視界に入る金堂です。昭和7年の再建で関西近代建築の父といわれる武田五一の手によるもの。

 

 

亡くなった祖母が生前、御大師様を篤く信仰していたため私自身、小さい頃から弘法大師や高野山の話をよく聞かせてもらっていました。そんな思い出もあるためか初めて訪れた場所なのにとても懐かしい思いがしました。

 

大きな木造建築はとにかく圧倒的。

 

 

お隣に建つ大塔。高野山を訪れたことのある人からこの写真を見せてもらったことがたびたびありました。が、写真から想像するより遥かに大きな威容でした。やっぱりいくらVRとか発達してても自分でいかないと。この空気感まではさすがに再現できないと思う。

 

 

目の前にいるのは「こうやくん」。写真撮影のスポットです。

 

 

大塔は真言密教の根本道場におけるシンボルです。内部には胎蔵大日如来を中心に金剛界の四仏が取り囲み、柱には十六大菩薩、四隅の壁には八塑像、堂内の中が立体曼荼羅の世界になっています。金色の大きな仏様にも驚きました。京都の東寺にも立体曼荼羅がありますが、そこより遥かに大きいです。真言密教の世界観ってこんなのなんだ。荘厳で色彩に満ちてキラキラと輝いて。

 

 

上の写真は大会堂、三昧堂。下の写真は三昧堂と西行桜。

 

 

 

歌人の西行は32歳から30年ほど高野山で草庵を結びました。高野山においては大会堂と三昧堂の造営、移築に総指揮。移築した時に自らお手植えされたのが西行桜の由来なんだそうです。900年前のことなのでこの桜は当時の桜の子孫なのでしょうか。

 

下はその横にある東塔。

 

 

 

蓮池。

 

風のない爽やかな日で水面のリフレクションが美しい。

 

 

 

中心部に戻って巨大鐘楼。

 

西塔。1800年代の再建。

 

秋の風景みたいですけれど6月です。

 

 

 

 

 

建物の写真はここで紹介したもので半分くらいです。全部撮影したつもりでしたが撮影し忘れていた建物がいっぱいあることに今になって気づきました。💦 

 

とにかく仏教の知識がなくても感覚的に「美しい」と感動できる場所でした。弘法大師さまの1200年を超えた普遍的な美的センスに感銘を受けました。次は霊宝館へ。