人生で海外で暮らしていたのは僅か7年なのですが、その7年間の現地生活で身体に染み付いた習慣があり、いまだにやめられないものがいくつかあります。そのひとつが「朝シャワー」です。私は最初の数年、これも経験のひとつと考えて、現地の人たちとシェア生活をしていました。その時に知ったのですが、欧米の人って夜はお風呂に入らない、シャワーも浴びない人が多いんです。日本人の感覚からすると、ええっ?驚きあせるなんですが、そのまま寝てしまう。でも朝は絶対にシャワーを浴びる、という。

 

この日本人と真逆の習慣に当初当惑して「夜、汚れた身体のままでベッドに入って気持ち悪くないの?」って何度も尋ねたことがあります。相手は朝にシャワーを浴びない日本人の習慣が不思議だったようで「そんなのでちゃんと目が覚めるの?」とか「寝ているときにかいた汗を身体につけたまま出勤するほうが気持ちわるいやん?」みたいなことを言われました。確かに・・。人は夜寝ているときにコップ一杯分程度の汗をかくのですよね。現地生活が長くなると私も現地の習慣に染まってしまい、毎朝シャワーを浴びるのが習慣になりました。洗髪も朝。しかし、夜は夜で必ずお風呂に入って。

 

この習慣はいまでも続いています。やめられないのです。私自身も子供の頃から、ちょっと潔癖なところがあったのですが、いまは脇の下とか首の周りとか少しでも汗をかいた気配があると自分の身体なのに気持ち悪くて仕方がないのです。勤めていた頃、寝坊しても、朝食を抜きましたが、シャワーは絶対でした。日本の冬の寒さに負けて、洗髪は数年前から夜にするようになりましたが、この寒い街に住んでからもやはりシャワーを浴びないと一日が始まりません。今朝も浴びました。外は寒いですけれど。夜はしっかり湯舟に浸かるので、多分よそより水道代がかかってると思います。それもあって、友達が家に泊まりにきてと招いてくれてもなかなかそれが言い出せず、近くのホテルをとってしまいます。

 

話はずれますが、他人とのシェア生活。私自身、結構神経質なところがあるので、それまでは家族以外との共同生活なんてあり得ないと思っていました。しかしまあ、試してみるものだと思いました。蓋をあけてみたら、これがとても楽しい貴重な経験になりました。掃除や光熱費の分担、友達を勝手に泊まらせないなどのルールはありましたが、それさえ守れば、セキュリティの面でも安心でしたし、夜もリビングに行けば誰かいるので、ひとりで寂しい思いをすることもなかったです。互いの友達を紹介しあって知り合いが増えたりするのも楽しかったです。何より、一緒に暮らしたどの人も若い人でも、精神的に成熟して自立していた印象があります。相手に干渉したりせず、異文化(自分とは違う価値観)に対しても鷹揚に受け止める姿勢があって、いま思い出しても、学ぶことが多かったと感じてます。現地で知り合った日本人もしっかりした感覚の人が多かったです。これが日本で・・となると、いろいろ詮索する人がいたり、自分の価値観を押し付ける人がいたりして、やはり息苦しいかもしれませんね。

 

 

写真は毎年使っているLEEの付録の花カレンダーです。気に入って3年目です。