旅3日目。高山陣屋のほかにもう一軒、どうしても行っておきたかったのがここ。豪壮な商家が建ち並ぶ大新町(この辺は観光客少)でもひときわ立派な商家。受付でイヤホンを貸与してもらい、スマホの音声ガイドを聴きながらの見学でした。高山を代表する町屋造りの建物です。寒い地域らしいどっしりとした構え。内部も大変力強い、重厚な雰囲気がありました。
飛騨の匠という言葉があります。1300年以上前から税を免除する代わりに都に職人を派遣してほしいと依頼されるほど、高い技術をもった職人さんたちがこの地にはいたそうです。江戸時代までは建築制限が厳しかったけれど、明治以降、その制限がなくなりました。資金のある豪商の家を建てる際、飛騨の匠たちは存分にその腕を振るうことができました。まずは一階部分から見学。
一部吹き抜けの総桧造り。高い吹き抜けは三階建て分あり、横に通された梁は赤松で13mもあるそうです。建築のことに無知でも、感覚的に「すごい!」と思ってしまう。この空間をみてるだけで圧倒されるようでした。建物の棟梁は川尻治助という当時の名工です。今に至っても寸分のゆがみも感じないのはやはり匠の腕ならではなのですね。
二階へ。階段を上がった先、中庭の紅葉の色が視界に飛び込んできました。暗い部屋の中から中庭をみると、窓枠がフレームみたいになっていて一幅の絵をみているかのようでした。
再び一階に降りて、生活空間のほうを見学。格子の細やかな縦と横のラインがとても美しいなと思いました。
二階でみえた中庭を反対側から。
はっとする燃えるような赤。紅葉が部屋の中に映りこんで、きっと今の時期だけのオレンジ色の空間。
母屋の裏に向かいます。蔵に向かう途中におみやげを売るエリア。建物の中に馴染んでとても美しい。
蔵が展示場になってます。
日下部家第11代当主が柳宗悦の民芸運動を支持したことから、ここには多くの工芸品が展示されていました。
蔵だけでもこんなに立派なのはさすが豪商のお宅。
バタフライスツール。柳宗理さんの作品。よく知られてますね。
建物、内装、紅葉、展示品・・全てに魅了される空間でした。なんかいろいろ凄すぎて一周して見ただけでは消化しきれない印象。ここはぜひいつか再訪したい!