木之本宿散策続きます。場所はここ。琵琶湖の北端エリアです。
つるやパンの数軒隣にも風格を感じる酒屋さんの建物がありました。
軒先につるされた大きな杉玉。
説明を読む。こちらのお宅は近江の名家ですね。近江といえば六角氏や佐々木氏。京極家は佐々木家の一族。そういえば、室町時代の佐々木道誉という守護大名は婆沙羅(バサラ)大名として知られてます。バサラ者とは奇抜とか傍若無人とかいう意味だったと思いますが同時に文化に対する深い教養もある人のことです。いまはゲームでこの名前よく見ますね。💦
看板の説明を読んでいたら、「あなた、歴史が好きなの?」って地元の方らしきご年配の紳士に声をかけられました。その方はコロナ禍以前はこの地域のガイドをされていたそうで。立ち話ではありましたが、木之本のことをいろいろ教えていただきました。
秀吉の軍師として活躍した黒田官兵衛の先祖も佐々木家から出ているそうです。黒田家の先祖が京都船岡山での戦に出陣した際、軍令に背いて勝手なふるまいをしたので、上司の怒りを買い、近江から出ていかざるを得なくなった。結果、播磨(兵庫県)に行くことになったのだとか。観光案内などに「黒田氏発祥の地」って書いてあるのはなんでだろうと思っていたのだけど、そういう歴史があったのか~と。
この酒屋さん、創業は1534年。室町時代です。日本でも屈指の古酒造です。江戸時代は庄屋さんも務めてみえたそうです。後年、金沢に向かう途中の魯山人が20日間ほど投宿し、そのお礼にと書いていった看板があるとのこと。(以上は立ち話で教えてもらいました。)
玄関先から覗かせてもらいました。「七本槍」って書いてある!有名な日本酒ですね。下戸の私でも知ってます。ここのお酒だったんだ。
元ガイドの方にお礼をいって、再び歩く。次々に現れる歴史を感じる建造物。
これも老舗の風格。
江戸末期創業の醤油店。江戸後期の旅籠建築だそうです。欅の一枚板を使った豪華な看板に思わず立ち止まりました。
かつて銀行だった建物、こんなの多いですよね。ここも以前は滋賀銀行の支店。立派です。かつてはここに問屋さんがあったようです。
「カメ止め」の看板が。映画と関係あるのかと思ったら、監督が木之本のご出身なのだそうです。この映画、意表を突く展開でめっちゃ面白い作品でした。
当初、チェックしていたお蕎麦屋さん。9月中は休業。
昭和の名残。
またもう一軒、老舗醤油店。ダイコウ醤油さん。嘉永5年(1852年)創業とあります。ペリーが浦賀にやってくる前の年です。
通りの端っこのほうまで歩いてみました。分岐点。右に行けば京、いせみち。左に行けば江戸・名古屋。
ちょっと外れた道も歩いてみました。これも歴史ありそうな建物。こういうのがいっぱい残っている木之本ってすごい。
窓に移る空。
これも昭和のわすれもの。左のドアを開けて商品を取り出し、右側の突起の部分で栓を抜くやつ。いつの間にか見なくなりました。子供時代を思い出します。
木之本の街道を歩いて印象的だったのは老舗の酒造、お醤油屋さん。今回はつるやパンでしか買い物しなかったので、次回はお酒やお醤油なども買いにいきたいと思います。この日は地元の方ともすれ違うときに挨拶を交わしたり、少しお話したりしましたが、どの方もとても親切で優しい印象を受けました。この後、地蔵院前のカフェに戻り休憩しました。なので木之本散策記はもう少し続きます。