10年くらい前に話題になりました。当時、同僚から「この本、面白かったよ。」とお薦めされていたけれど、なかなか手にとる機会ないまま時間が過ぎてました。ドラッカーの名著「マネジメント」を高校の野球部に応用するという設定で、難しい古典をわかりやすく噛み砕いた内容です。「野球部とは何か?」という組織の定義づけから始まり、組織を構成する部員ひとりひとりの個性や強みを活かすことで組織を最適化し、戦い方を変え、組織の目的である甲子園出場を果たすというストーリーです。
読んでいて、マネージャー・みなみの調整能力がすごいと感心しっぱなしでした。そして部員の本音を引き出す夕紀の力も。様々な個性と強みが集結した組織がひとつの目標に向かって走り出した時に個人の力では及ばない起爆力を持つ。こういうところは組織で働くことの面白さかもしれません。印象深かったのは間違いや失敗を恐れてはいけないというくだりで「成果とは打率である。弱みがないことを評価してはならない。~ 人は優れているほど多くのまちがいを犯す。優れているほど新しいことを試みる。」というドラッカーの指摘。成功する人はチャレンジを厭わないのですね。またマネジメントに携わる者が最初から身に着けていなければならない最も大事な資質は「真摯さ」であるということ。難しいドラッガーの言葉も要所、要所で引用される程度なので、しっかり理解してついていけます。(^-^;
著者の方は秋元康さんとAKB48のプロデュースにもかかわっておられたそうで、登場人物の何人かはそのグループのメンバーをモデルにされているそうです。主人公のみなみは峯岸みなみさんがモデルだそうです。見てないのですけれど、あとでこの小説は前田敦子さん主演で映画化されているとのこと。