前回小浜市中心部を散策した際に寄りました。場所は小浜市内鯖街道の起点地。現在道路工事中ですが、いづみ町商店街があった場所です。
道路側から入り口までのアプローチは鯖街道起点から京都の出町までの道のりを模したかたちになってます。
入館料は無料。一室のみの狭いスペースですが若狭の歴史や文化を紹介する写真や伝統的生活道具の展示などがありました。ここから京都まで約70km。その昔、京都で学生生活を送っていた頃、日本海で獲れた鯖を腐らないように塩につけ、大原を経由して運んできたという歴史を教えてもらったことがありました。運ばれているうちに塩がちょうどよく馴染んで美味しく食べられるようになっていた・・と。その頃は鯖街道についての知識はそれくらいで、その向こうに福井県があって若狭という地域があることも殆ど興味の範疇外でしたが・・まさか後年、そこに住むことになるとは。(;・∀・)
現在、車で走るなら1時間半ほどの距離なのですが、昔の人はこの70kmを、それも舗装されてない山道を日常で歩いていたのかしら、一泊二日くらいかけたのかな、それにしてもすごい健脚・・と思ってました。説明を聞いたところ、実際の鯖移送は駅伝みたいに、小浜から朽木くらいまで運ぶ人がいて、そこで受け取った人がそれを京都までもっていって売る、みたいな感じだったらしいです。
それでも人が背負って運べる鯖の量は限られていたので、昔はこれを口にすることができたのは皇室や貴族など上流階級の人たちだけだったと。その後、樽に多層で鯖を漬けてラバだったか馬だったか動物で運ぶようになって大量輸送が可能になり、町衆の間で食べられるようになったと。八坂神社の前に「いづう」という老舗がありますが、ここが若狭からの鯖を使って鯖寿司を初めて作った店だそうです。鯖寿司は若狭ではなくて京都発祥なんですね。まあ福井県にいたら魚は加工する必要もないですものね。
他にも興味深い話を聞かせていただきました。いろいろ知識が増えて楽しいです。この写真は大正期の頃、北前船で賑わっていた日本海。船頭さんは夜は星の位置、昼間は陸の山の稜線を印に航海したのだそうです。
トリックアートの写真撮影コーナー。
これ、平面を3つ合わせただけなんですけど、こうやって見ると、すごく立体感ありますね。下の写真の隅っこに朽木屋さんで買ったばかりの焼き鯖の袋が映り込んでしまいました。一応、椅子の上に置いてあります。
Σ(・∀・;)
敷地にいたにゃんこ。ちょっと警戒されてました。
普段通る鯖街道は熊川や朽木を経由する若狭街道ですが、機会あったら高尾や嵐山に抜ける周山街道のほうも行ってみたいです。