昨日読んだ本のメモ。授業のノート風にまとめました。

 

イギリスの民主主義

1642年:チャールズ一世の専制政治に不満を抱いた議会派が決起、内乱

王権神授説を支持する大貴族、商人、大地主 vs  力をつけてきた新興地主、独立自営農民の争い

 

1649年:王政が倒れ、共和制 (クロムウェルによるピューリタン革命)

しかし、クロムウェル政治は絵に描いたような独裁政治

小市民を中心とするlevellers(平等派)という勢力浮上

普通選挙による人民の権利拡大など、より民主的な共和制を求める

クロムウェル、levellersを弾圧

クロムウェルのやり方は厳しすぎ。

人心離れる

1662年:クロムウェル死後、チャールズ二世復位で王政復古

でも王権神授説をまたやろうとした王政は議会と対立

次の王様、ジェームズ二世はカトリック復帰を画策

1688年:国教会に立脚する議会はオランダから新国王を招聘

ジェームス二世はフランス亡命(血が流れなかったから→名誉革命)

 

1689年:権利の章典公布

立法権、軍事権、王を任免する権利などを明記

ジョン・ロックの思想「統治二論」は王権神授説を真っ向から否定

のちのアメリカ独立宣言やフランス人権宣言などにも大きな影響

 

 

アメリカの民主主義

1775年:独立戦争→「独立宣言」

市民に平等、自由、幸福の追求などの基本的人権と圧制に対する革命権を認める

 

しかし平等の概念の中に奴隷は含まれない

当時、黒人は人間ではなく「商品」

 

約100年後:南北戦争

起因:奴隷制や産業構造の違い

 

1863年:奴隷解放宣言、しかし差別はその後も残る

1964年の公民権法公布で法的な平等確保

 

フランスの民主主義

18世紀ブルボン王朝(ベルばらの時代):アンシャンレジームと称される封建制身分制度がベース

第一身分(聖職者)、第二身分(貴族)が非課税などの特権

人口の大部分を占める第三身分(庶民)は無権利放置状態

市民が徐々に経済力をもつ

ヴォルテールやルソーなど啓蒙思想広がる

イギリス革命の成果、アメリカ独立宣言の思想が輸入され、フランス革命につながる

 

1789年:バスティーユ監獄襲撃→憲法制定国民議会が封建的特権廃止を決議、「フランス人権宣言」を制定

しかし、この時想定していたのは「立憲君主制」の国づくり

国王ルイ16世が議会の決議を認めず、1791年国外逃亡を企てる

ばれる。逃亡失敗。国王の権威失墜

1792年:王権停止→王政廃止、共和国国家樹立宣言

 

1793年:国王、王妃はギロチン台の露に

 

革命は続く。

 

フランス革命を主導した政治組織ジャコバンクラブの内部には1.立憲君主制を唱える右派、2.穏健的な共和派、3.共和制の徹底を主張する急進的左派が混在

権力を握ったのはロベスピエール率いる山岳派(左派)

(当時、議長からみて山岳派が議場の最も左側に着席していたことから「左派」、「左翼」という言葉が生まれる。)

急進的な共和制を目指し、独裁政治&恐怖政治!

人心の離反

反対派のクーデターでロベスピエール失脚

この人もギロチンで処刑。

穏健共和派主導の総裁政府成立

でも左右の対立続く

ナポレオン登場!クーデターで総裁政府を倒す

 

もし、ルイ16世がバレンヌ逃亡を企ててなかったら、フランスはいまでもイギリスのように国王のいる国だったかも。

 

フランス革命といえば人権宣言。「国民の自由と平等」、民主主義の基本原則が明記。世界の民主主義のルーツはここ。←これ大事!

 

ヨーロッパの民主制への移行はそれ以前、紀元前のギリシャ・ローマ時代からの民主制というベースがあり、その上に築かれたもの。

 

以上。欧米の民主主義は多くの人が血を流した末に獲得されたもの。GHQから戦後あてがわれた日本のそれとは歴史の長さ、質が違うことを改めて思いました。

 

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民主主義の精神は「少数派の意見を徹底的に聞くこと」。それを忘れたら政治はいくらでもポピュリズム的なことになりうる。ポピュリズム政治はわかりやすい敵を作る。その背後の事情にまで目を向けない。(小泉さんや橋本徹さん、トランプ大統領など「数は正義」というポピュリズム政治)気を付けないと危険な方向にいってしまうことも。

 

私自身の経験ですが、中学生の頃、クラスで多数決で何かを決めることがありました。AとBという選択肢がある中で、ほぼ全員がA案に挙手した中、ひとりだけちょっと変わった子がいてB案に手をあげていました。そうしたら先生が、その子がなぜそう思うのか、随分時間をかけて、その子の意見を聞いているのです。「なんでたった一人の意見を自分たちが聞かなくてはいけないのか。」、「(B案支持する)○○君の考え、おかしいで。」って不満そうなその他大勢がいました。その時、先生が「少数派の意見を尊重することが民主主義の基本なんだ。みんなは彼の意見を聞かなくてはいけない。」と言いました。10代初めの頃の当時の私に先生の言葉が「はっ!」とする思いで響きました。それまではなあんとなく、多数イコール、正しいこと、あるべきこと、と思っていました。でもそうだとは限らないのか、と。

 

大人になった現在でも当時のことを時折思い出すことがあります。この本を読んで、私にとっての民主主義の原体験は、あの時のクラスの中でのやりとりだったのかもしれないな・・と。