五個荘・藤井彦四郎邸の続きです。
和風建築と続きで洋風の部屋もありました。これ、赤い屋根のシャレー風建築の内側なんです。💦 あとで気が付きました。素朴な感じの外観とは反対にとても重厚な内装です。ちょっと和洋折衷な感じ。この部屋も「日本のいちばん長い日」の映画でも会議の場面で使われていたし、最近でも「科捜研の女」の撮影で、京都の豪邸という設定で使われたそうです。
沢口靖子さんと内藤剛志さんのサイン色紙がありました。私がここを訪れた前日にその番組の再放送があったのですよ、と教えてもらいました。あー!一日早かったらその夜に観れたのに~!(笑)
これ、ポーカーテーブル。
灰皿?
置いてある調度品も当時、ヨーロッパから輸入したものかと思って尋ねたら、彦四郎がイギリスにいった時にある客船を船ごとまるまる買い取って、日本に持ってきたとのことでした。最初はお金持ちだからできる凄いことなんだなあ・・と思ったのですが、買い取ったのは廃船同様の船だったそうです。そこにちゃんとお宝をみていたのでしょう。本物をみる審美眼があったからこそできた買い物だったのかと。
このどっしりとした書架。一見して素晴らしい造りです。
操舵機。
彦四郎さん?
次は実際に生活の場であった住居へ。迎賓館部分は他の豪商邸宅に比べると控え目といいながら庶民からすると、眩しいくらいでしたが、住居部分に入ってみたら、あまりに地味さに「えっ?」と思ったほど。
江戸時代に建てられた建物を明治時代になって彦四郎の父が息子のために買い、昭和7年に敷地内に移築したのだとか。
家の中の風景の質素さ、堅実な暮らしぶりに震えました。
地味といっても建物自体は江戸期の立派なもの。よそから移築したものだから豪華な欄間もありました。
彦四郎は後に京都の蹴上の近くに立派な本宅を構え、そちらも残っているそうです。(公開は秋の一定期間だけ) この日、四軒見学した商人屋敷で、一番印象深いのがこの邸宅でした。一番丁寧に説明いただいたこともあります。使ってある材の素晴らしいこと、またドラマ・映画のロケ地にもなっていたということも面白くて。
四軒の邸宅見学からは近江商人の精神を伺うことができました。表面的な華やかさよりも本質をみる価値観に感銘を受けた日でした。