国内でも外国でも知らない街に到着したら、とりあえずメインの通りとその周辺をざっと歩いてみて、街のアウトラインを頭の中に描くようにしています。誰かに連れていってもらったり、観光バスや車の助手席に座っているだけだと何回いっても覚えられないのに、一度地図と突き合わせながら自分の足で歩くと、街の地図がおおざっぱではあるけれど頭の中にも再現されます。
金堂エリアをぐるっと歩いた後、ここへ行きました。近江商人・中江富十郎の邸宅です。資料によると富十郎は四人兄弟で、戦前に呉服店の三中井商店を設立。兄弟の才覚で朝鮮、満州、中国大陸に出店、当時は京城(ソウル)では丁子屋、平田、三越、和信とあわせて五大百貨店と呼ばれるほどまでになっていたとか。一時は三越を上回るほどだった百貨店も敗戦で消滅しましたが、現在は彦根市の洋菓子屋さんを営んでおられるそう。
内部も無料で見学できました。ボランティアの方から、五個荘でどこをみにいくと良いよとか、いろいろ教えていただけたので最初にここへ行って良かったです。写真もたくさん撮らせてもらいました。
ジオラマ。繁栄していた頃の五個荘の街でしょうか。
周囲はのどかな田園地帯。近江八幡よりもずっと小規模な農村に豪邸がぎっしり並んでいます。最初はこの組み合わせに奇妙なアンバランスさを感じました。のどかな田舎町なのに、ここからすごい近江商人がたくさん出ていることの不思議。当時はここにどんな空気が醸成されていたのか、それが気になります。誰かとお喋りしながらいく旅も良いけれど、いろんなものをじっくり見て、ひとりで考えながら街を歩くのもなかなか楽しい。この日はこれから五個荘商人宅を3か所巡りました。
ここでも商人屋敷3か所に加えて市内博物館の入館がセットになったチケット(850円)があり、それを購入しました。続きます~