今日も暗くて寒い空模様です。私のプライベートも春先まではインドアに移行します。なのでこのブログのテーマも「写真」から暫くの間は「映画」中心になりそうです。キョロキョロ

 

今年年初から96~97本目。

 

原題:Scusate se esisto!

監督:リッカルド・ミラーニ

キャスト:パオラ・コルッテレージ、ラウル・ボバ

 

天才建築家として国外で成功をおさめた女性セレーナは、故郷が恋しくなりイタリアに帰国する。しかし、イタリアにおける女性の就労状況は厳しく、仕方なくカフェでアルバイトして生計を立てることに。セレーナはカフェのオーナーであるバツイチ男性フランチェスコと心を通わせていくが、実は彼はゲイだった。やがて、ある集合住宅が再開発案を募集していることを知ったセレーナは、架空の男性上司をつくりあげて応募するが……。(映画com)

 

2014年イタリア映画。アマゾンプライムでたまたま冒頭に出てきたので鑑賞したのですが、めっちゃ大当たりの映画でした。作品の名前も全く知らずにいましたが、見逃さずによかった。楽しくて、かつ最後はとてもハッピーなエンディングです。ちょっと前にみた同じイタリア映画の「Viva!公務員」と同じようなジャンルでしょうか。イタリアも日本と変わらないくらい男尊女卑な社会であることが意外でした。細やかな感情表現とはやや無縁なところはありますが、最後まで可笑しさ満載で、それだけでなくて、他者への愛を感じるとても素敵な作品。気分が滅入りがちな今のような時期にはすごくお薦めだと思います。

 

 

監督:神山征二郎

キャスト:加藤嘉、長門裕之、樫山文枝、浅井晋、前田吟、樹木希林

 

やがてダム工事のために湖の底に沈もうとしている山間の小さな村を舞台に、自然の中に生きる村人の姿を叙情豊かに描いたドラマ。岐阜県徳山村。この山峡の小さな村ではダム工事が行われていた。村の老人・伝三は妻を亡くして以来、ボケ症状が現れ始めていた。そんなある日、伝三がかつてアマゴ釣りの名人だったことを知った隣家の少年・千太郎が、伝三にアマゴ釣りを教えてくれと頼みに来た……。

 

1983年日本映画。舞台は徳山ダムがつくられる前の山間の集落。少年が過ごした最後の夏の思い出。感傷的な気持ちでみてしまう作品ですが、同時に社会問題を扱った作品でもあると思いました。先祖代々からのコミュニティーが壊され、そこに住む人々がバラバラになっていきます。美しい自然を背景に老人と少年の対話の場面がいつまでも心に残るようなこれも素敵な映画でした。

 

加藤嘉さんという俳優さんのことを初めて知りましたが、とても味わいのある演技をされるバイプレイヤーだったのかと。またその息子役を演じる長門裕之さんも田舎の粗野なおっちゃんといった役柄がとてもはまっていて本当にこんな人がいそうと思える。昭和の田舎はこんな感じだったと懐かしい気持ちで思い出す部分も。経済的な豊かさを獲得する代わりに人と人の有機的なつながりが失われる代償は、その後の日本社会をみているとよくわかると思います。日本の大家族制度の幸福について、私はそれは「嫁」の犠牲の上に成り立っていると思うのでいまさらそれを復活させるべきとは思いません。しかし今の社会には施設をのぞくと高齢者の居場所がないことを痛感します。映画の中で老人は少年にいろんな人生の知恵を教える役割を果たし、生き生きした表情をみせ、少年は大人を慕い、かつ大人に見守られた安心感を覚えながら育つ、、、そんな二人の姿をみることができました。