催眠療法(ヒプノセラピー)のひとつです。本人の出生以前の記憶をたどるというセラピーがあるのを知ったのは10年くらい前でした。人間は死後、転生するという考え方が前提になっています。私自身はスピリチュアル的なことは興味ある反面、死後の世界とか輪廻転生がなかなか信じられなくて、やっぱりそれ嘘でしょという疑いがどこかにあり、わざわざやってみようという気までなれませんでした。でもいまどきはYou tubeでもできることを遅ればせながら知り、好奇心からチャレンジしてみることに。その時の記録として書いておきます。

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

身体全体をリラックスさせて、ヨガや瞑想をするような導入から始まり、深層意識の深いところを探っていくような感じです。「前世なんてない」、「死後の世界もない」という思い込みがあるためか?初回は何も浮かんこず、失敗でした。2回目、3回目・・瞑想の時の感覚を思い出し、意識を深い深いところまで向けてみました。

 

幼かった頃のすっかり忘れていた記憶が蘇ってきたのにはちょっと驚きました。母親の子宮の中にいた時の感覚というのが蘇ってきたというのか、疑似体験だったのかわからないのだけれど、感じられました。母の胎内に戻った瞬間、自分自身が守られて、心から安心できる場所に落ち着いて非常に幸福感で満たされた気持ちになりました。

 

母の胎内にいながらその時の周囲の様子がみえてきました。私を妊娠中だった頃の母。まだ20代前半。若くて化粧っけがなくて嬉しそうな顔をしていいました。横に若かった頃の父の姿がみえました。父も笑っていました。あれ?意外と仲良しだったんだ、と思いました。私の記憶の中ではしかめっ面の記憶しかなかった父が笑っているのが印象的でした。

 

生まれてくるとき。温かく守られた子宮から押し出されるのが嫌な感じがしました。この世に出てきて、その瞬間だったのか、もっと落ち着いた後かわからないけれど、祖父母たちがとても喜んでいる姿が見えました。特に母方の祖母が大喜びをしていて、自分の誕生が本当に歓迎されているのが感じられました。

 

その後またチャレンジ。幼かった頃の一番幸せな時というのも再体験しました。幼かった私は父方の祖父と祖母の間に座って、たわいもないことを喋っている光景でした。どこかの遊園地にいったとか何かすごく美味しいものを食べていたとか特別な体験をしているのではなくて、普通の日常の中にいて、ああ私の幸せの原体験ってこういう素朴なものだったんだなあということが新しい発見のように思いました。

 

私と両親の関係は自分の記憶ではとてもドライなのです。母も授業参観なども殆どきたことがなく、進路を決める時も何一つ言われた記憶もなく、家族の関係は昔から淡々としていたような感じでした。多感な頃、自分はあまり周囲の大人たちから愛されてないのだろうと思っていたこともありました。それなのに浮かんでくるのは周りの大人たちの笑顔と溢れるような温かい感情だったのが不思議でした。今思うと若くして親になった私の母は、初めての子育てに結構戸惑っていたのかもしれず、数年後には弟が生まれて、私に十分な愛情を示せなかったのかもしれないな、と。その足りなかった部分を4人の祖父母たちが十全に埋めてくれていたのだなと思いました。

 

あと前世をみてみました。どうも日本人ではなかった様子。これは初回から出てきたのですが、前世の自分の足元をみた時に白いドレスの裾がみえて裸足でした。ミュンシャの絵に出てくるような西洋の若い女性でした。あまり笑顔がなくて快活なイメージからはほど遠く、何か憂いているような感じでした。しかし、これだけはどこかで観た映画か何かの記憶の断片ではないかと思っています。それでも、もし転生があるのなら、自分がこの世に生まれた意味とかこの世での使命を一番知りたかったのですが、この辺は全くたどり着けずわかりませんでした。

 

「自分の今世での使命を知りたい」という当初の問いに答えは出ませんでした。しかし、他のこと・・幼かった頃に周囲から受けた愛情の記憶が、それもすっかり忘れていたことばかりが、今さらありありと蘇ってきたのが非常に印象深いものでした。無条件に愛され、守られているということの心からの安心感と、温かな思いやりに満たされる感覚を再体験できたことは、もしかしたら、そちらのほうこそ、私がいま一度意識を向けるべき大切なことだったのかとも思います。プロの人にやってもらったわけではないので、信ぴょう性は低いのですが、なんか面白い経験だったのと、数日したら忘れてしまいそうなのでメモとして記しておくことにしました。