一年くらい前から読書記録をこのブログに書かなくなりましたが、現在も月8~10冊、年間で100冊前後、本を読んでいます。これからは特に印象に残ったものだけここに記したいと思います。

 

一冊目。最近読んでヒヤリとした本でした。著者は管理栄養士。長年、がん患者の食事指導を行っていく中で乳がんの患者さんは食事がとても似通っていることに気が付いたそうです。

 

 

食の欧米化には多くの問題があり、特に乳がんには食事の内容の影響が大きいということが主旨。とてもインパクトのあるタイトルだったのですが「パン食だから悪い」というのではなくて、パンそれ自体だけでなく、パンを主食にした場合の脂っこい、またはクリームなど乳製品を多用する食事体系が宜しくないということです。

 

日本で50年前は乳がん患者になるのは50人に1人。現在は12~14人に1人、欧米では9人に1人だそうです。このままだと欧米なみの水準になるのも時間の問題かという印象を持ちます。この本を読んだのは2か月ほど前。以来、できる範囲で食生活を変える努力をしています。💦

 


この本も併せて読みました。著者は内科専門医。内容には非常に説得力がありました。ガーン

 



 

二冊目。図書館で借りてきた本です。曽野綾子さんのエッセイを過去にも読んだことがありました。辛辣な語り口で、今の時代だとちょっと間違えば炎上しそうなことを書いておられたりするのですが、そこも好き。決して相手を突き放すのではなくて、文脈から人としての温かさ、寛大さを感じます。ニコニコ

 

日本という国は人の「成熟」よりも「幼稚」であることが好まれることが多い変な国だと私自身もずっと思ってきました。平安文学を読んでいてもこういうのを感じるし、昨今のアイドル文化を見ていてもそう思います。世間を知らない、苦労をしてない、未熟な人間が是とされるような妙な価値観です。そんな日本人をみてマッカーサー元帥が「日本人の精神年齢は12歳」と言ったというのも何かで読みました。日本国内では「かわいい」と言い換えられ、それなりに居場所があるけれど国外に出たら、特に欧米などでは見方が変わります。

 

日本は島国で他国から攻めいってこられて属国にされたり、他民族との軋轢もなかった。この本のもう一人の著者、クラインさんは日本人の国民性について、こうした温室のように守られた環境であったがゆえに、日本人は物事を突き詰めて考える必要性に迫られることがなかったと言っておられます。(なるほど、ブランドとか肩書とか上っ面的なもので評価しがちなところもこういうことによるのかもしれません。)この「他者との軋轢」とか「ギリギリの状況」を経験してないことが人の精神的な成長を妨げる要因になっているのか・・と。経験値の少なさは相手を一面的に判断することにも表れたりします。人間には善良な部分もあれば狡い部分もあって、光と影があるゆえにその人の深みが生まれるもの。でも日本人はあまりそういうのを認めない、自分とは考え方や生き方が違う人を受け入れない、と。こんなふうに年齢を重ねていくのはやっぱりとても残念だと思いました。いまからでも視野を広く持ちたいし、年齢なりの成熟を求めていく人生にしたいと思いました。