11月17日。今年の関西地方での紅葉ピークはこのあたりだったようです。
京都府宮津市・成相山の紅葉記事の続きです。本堂から少し下ったところにもうひとつ展望台があります。こちらは徒歩3分程度の坂道をあがるだけとのことなのでいってみました。
傘松公園とは違う、うらびれた雰囲気の展望台がありました。誰もいません。
やはり霞んでいて遠方の風景はいまひとつです。 気温が急にあがるとこんな現象が起こるのかということを学んだだけでもよかったとします。基本的にこの日は晴天だったので間近でみるものはとても鮮やかで美しいものでした。展望台からおりて今度は五重塔を観に行きました。
平成10年に再建された五重塔。古色を帯びた本堂や境内のほかの建物とは対照的です。法隆寺や東寺の塔も昔はこんな色をしていたのでしょうか。池の周囲にある紅葉が水面に映り込んで美しい眺めだったのですがこの池は「底なし池」ともいわれていて、昔は大蛇が住み、寺の小僧を次々と呑み込んでいた・・という怖い話も伝わっているそうです。
五重塔を仰ぎ見て。真っ赤に染まった木が華を添えている感じ。
もう一枚。葉っぱがかろうじて僅かに残っている木は桜です。春の頃の眺めを想像してみました。桜が咲くころにもきてみたいなと思いました。
五重塔の近くに立派なタブノキが生えています。これは前日に予習していった時にも気がつかず、またパンフレットにも小さく木のマークがあるだけだったので、留意してなかったのですが、非常に立派な巨樹で目を見張りました。大きすぎてフレームに収まりません。💦
上の部分こんな感じ。
五重塔と一緒に。
本堂の左甚五郎作の龍が、底なしの池に泳ぎ、この木から天へ昇ったという伝説があるそうです。五重塔とツーショットで撮ってみました。この見事な存在感、圧倒的でした。根本部分が露出していますが大丈夫なのかな。立派な木なので枯れてしまわないよう・・・。
タブの木とのとりあわせがあまりにも凄くて、振り返り、振り返り、次の場所にいきました。
この時点で、もう1時間以上境内をうろうろしています。そろそろ下山バスに乗るためにバス停方向に向かって歩くことにしました。そこまでの道に、舗装された道路の脇ですが、もみじがいっぱいに植えられたルートがあり、まさにいまが見ごろの美しさでした。
太陽の光を受けて輝いているもみじは、こちらがそれに気が付いて、カメラを構えていざ撮影しようと思った時には、さあーっと光が引いてしまい、色褪せてしまいます。こうやって最高の瞬間を逃すということが何度もありました。これまでにも、眼前のきれいな風景に「ああきれいだなあ」って思っていたけれど、自然の姿は瞬間、瞬間で変化しているのですよね。「今」の美しさはもう次の瞬間にはないのです。次にいつ、あの最高の一瞬がやってくるかわかりません。本当に捉えがたい!
この刹那の一瞬を永遠のかたちに留めたい、残したいというのが古来からの芸術家たちの願いだったのかもしれないと思ったり。まあ、ひとりで旅すると喋る相手がいないだけに、いろいろと頭の中で妄想します。
山門です。
この山門は1452年の創建。
素晴らしい木彫りの彫刻に見とれました。この山門に彫られた動物たちは躍動感があり、今にも動き出しそう。敏捷な感じがうまく表現されていると思いました。
バスは一本逃すと時間帯によっては更に一時間待ちです。定時にきたバスに乗って帰りました。合計で1時間半ほどこの山に滞在したことになります。
今年の紅葉を振り返ってみると、この日は最高の紅葉狩り日和でした。来てよかった!この後は傘松公園からリフトで地上に降りました。せっかく宮津まで来たので、天橋立エリアにも行ってみることにしました。続きます。