92~93本目。
原題(英題):ARCHITECTURE 101/AN INTRODUCTION OF ARCHITECTURE
監督:イ・ヨンジュ
キャスト:オム・テウン、ハン・ガイン、イ・ジェフン、スジ
建築家のスンミン(オム・テウン)のもとに、仕事を依頼しにやって来たソヨン(ハン・ガイン)。ソヨンは、15年前にまだ大学生だったスンミンの初恋の相手だった。ソヨンの実家のあるチェジュ島に新しい家を造りながら、スンミンの脳裏には初恋の記憶がよみがえり、また新たな感情が芽生えていく。しかし、スンミンには婚約をしている女性がいて……。~シネマトゥデイ~
2012年韓国映画。韓国通のというか韓国人の配偶者がいる友達から勧められて鑑賞。 おすすめ通り、観て良かったと思う素敵な映画でした。学生時代の純粋でほろ苦い初恋の思い出と、15年後に再会する二人の物語。大人になってようやく誤解が解け、互いの気持ちが確認できたのに、二人はこの15年のうちに新たに生まれたしがらみと人間関係の中での生活を継続することを選んでしまいます。現実はこういうものだけれど切ない。若い日の恋は実らないからこそ、いつまでも記憶の中できれいなままなのかもしれません。
原題(英題):THE LAST REEL
監督:ソト・クォーリーカー
キャスト:マー・リネット、ソク・ソトゥン
カンボジアで生活している女子大生のソポン(マー・リネット)は、ある日、偶然入った古い映画館で、母(ディ・サヴェット)が若いころに主演を務めた映画を目にする。その作品はクメール・ルージュが圧政を敷いた前年に作られ、公開されなかった上にラストシーンが失われていた。一方、ソポンの姿に映画館の主人のベチア(ソク・ソトゥン)は、愛した人を思い出していた。~シネマトゥデイ~
2014年カンボジア映画。初めてのカンボジア映画鑑賞でした。監督はこの国初の女性監督。ある女子大生と70年代、ポル・ポト政権下での大虐殺を生き抜いた人たちとのかかわりを描いた作品。印象としてはセリフや話の運び方に洗練されてない感じもありました(なので、ちょっとダレる)。でもそのメッセージは強く伝わりました。主人公のような若い世代の人が生まれる前、60代、70代の人たちがあの暗黒の時代をどんな思いで生き抜いたのか、そんなことを考えてしまいました。印象に残ったのは主人公が最後に結論としてたどりついた「真実はひとつではない」という言葉。真実はその人の数だけあるのだと思います。当時は知識人を始めとする国民の4分の1が殺されました。映画監督や俳優といった職業の人たちも虐殺の対象だったそうです。当時300本製作されていた映画のうち残ったのは30本だけだったと。その映画人らに対する鎮魂の想いが最後にシーンに溢れ出るように感じました。
ポル・ポト政権下での内戦を扱ったアメリカ映画に「キリング・フィールド」という作品があります。私は学生の頃、この作品を観てカンボジアでの壮絶な虐殺の歴史を知りました。こんなことがあっていいのかと思うほどショッキングな内容に血が凍るような思いであり、ジョン・レノンの「イマジン」がエンディングに流れる頃には涙が止まりませんでした。いまも忘れられない一本です。他の作品のお薦めになってしまいましたが、カンボジアの歴史・・っていうか、70年代なんてつい最近のことですよね。これらの映画を通して過去のことを知ることができると思います。