73~74本目。
原題(英題):COMME UN CHEF
監督:ダニエル・コーエン
キャスト:ジャン・レノ、ミカエル・ユーン
スランプ気味の三ツ星レストランの料理人と元シェフのペンキ塗り職人が巻き起こす奇跡を通して、人生の喜びや幸せについて描くヒューマン・コメディー。天才的な舌を持ちながら高慢な態度ゆえにレストランを次々と辞めさせられる主人公を『変態ピエロ』のミカエル・ユーンが、星を一つでも失えばクビが飛ぶ三ツ星レストランの一流シェフを『レオン』のジャン・レノが演じる。~Yahoo!映画~
2012年フランス映画。この映画めっちゃ面白くておすすめです。 途中、主役の二人が日本人客に変装してライバル店に視察しにいく場面があるのですが、日本人姿のジャン・レノが意外にもすごく似合っていて笑えました。着物姿の芸者に扮したジャッキーのほうはまるでマネの「ラ・ジャポネーズ」をデフォルメした感じで笑える。いきなり「スシミソウナギ」とか言い出して、いまでもこういうのがフランス人の中では日本人観にあるのかなと思ってしまいました。この映画で初めて知った「分子料理」という言葉。そういえば都会のレストランで食事をするとたまにデザートなんかで窒素を使って演出を見せてくれたり、泡状のメニューを出してくれるところがありますが新しい料理の手法みたいです。作品全体としてはコメディですがストーリーの各所にミシュランの星を維持することについて、ジャン・レノ演じるシェフが相当ストレスを感じている場面が出てきました。フランスでは星をひとつ減らされたレストランのシェフが自殺したという話も過去に聞いたことがありますが、それだけミシュランの評価が大きなプレッシャーになっていることが想像されました。損益という観点からのみ料理をみる経営者との対立も印象的です。
原題:TOKYO!
監督:ミシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ
キャスト:香川照之、蒼井優、妻夫木聡、加瀬亮、竹中直人
国際的に注目される3人の映画作家が、それぞれの視点で東京を描いたオムニバス映画。独自の文化やライフスタイルが渦巻く大都市東京を、個性あふれる3人の鬼才監督がそれぞれに読み解く。
2008年フランス・日本・韓国・ドイツ合作。3作のオムニバス映画。それぞれの監督たちの東京の解釈がどれもシュールすぎて、正直よくわからない部分が多かったです。みていて感じたのは人と人とのつながりが希薄な都会の生活、また大勢の中に埋もれてしまって自分の存在がわからなくなってしまう不安感、人間の心の裡に潜むモンスター的なもの・・。この作品をみた後、ネットで読んだ監督のインタビューで、日本は密告を推進する社会ではないかと感じたという言葉がとても印象に残っています。その土地に住む人よりも外からみた時のほうが、実態がよくわかるということって往々にあると思います。そういう観点で見直してみたらこの映画には日本人には気づかない部分が表されていることを知るかもしれません。