71~72本目。

 

 

原題(英題):JSA:Joint Security Area

監督:パク・チャヌク

キャスト:ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、

 

朝鮮半島を南北に分けた境界線に位置する共同警備区域(Joint Security Area)で起こった武力衝突事件。捜査を進める監視委員会の女性将校ソフィは、生き残った両国の兵士から事情聴取を進めるうちに、南と北で証言がまったく相反していることに悩む。そして、事件の核心に迫るにつれ、両国の兵士の間に信じがたい事実があったことを知るが……。~映画.com~

 

2000年韓国映画。韓国映画の存在感が急に増してきたのは「シュリ」とかこの映画の頃からではなかったかしら。すごく良かったです。やっぱり世間の評価がいい作品は素直に観ておくべきかなと思いました。まず驚いたのが板門店の描写。北朝鮮と韓国の兵士が手を伸ばせば触れるくらいの距離にいるんです。でも互いを敵とみなしているから、コミュニケーションできず、そこには中立国(スイス)の監視員がいる、という構図。ある時、たまたま、南北兵士が互いに接する機会があり、情が通いあい、兄弟と呼び合うような関係になるんです。同じ人間同士、彼らの場合は同じ民族でもあり、38度線がなければおそらく日常に見られたような光景だったのだろうと思いながらみてました。人間の心が本来もつ美しい側面を信じてしまいます。でもある一瞬にみえてしまった、洗脳の怖さ。韓国側にだってある洗脳。互いに相手を敵と刷り込む教育はギリギリのある瞬間に、人間本来の情より優先されてしまうことをみた気がしました。それがショックでした。ここで自分がなんと平和ぼけだったのかを思い知らされたような気分に。そしてそんな瞬間でも冷静さを失わない人物がひとりいるんです。その人は物語の最初から常に冷静さを保つことの大切さを口にしていました。この作品も本当によくできてます。その迫力いっぱいのシーンではもうドキドキして目が離せない。そしてそれぞれの人物たちの複雑な心境が伝わってきます。今から20年前の作品です。若きソン・ガンホとイ・ビョンホンが出てます。それぞれ30代前半、20代半ばくらいでしょうか。二人の存在感(特にソン・ガンホのほう)がずっしり重い。映画を観終わってから、なんともいえない哀しい気持ちになりました。同じ民族で憎みあうことの悲劇を思わずにいられませんでした。

 

 

 

原題:Snowpiercer

監督:ポン・ジュノ

キャスト:クリス・エバンス、ソン・ガンホ、エド・ハリス

 

フランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」を原作に放つSF作。新たな氷河期が到来した地球を列車でさまよう数少ない人類の生き残りが、支配層と被支配層に分かれて車内で壮絶な戦いを繰り広げていく。~Yahoo映画~

 

2014年韓国・アメリカ・フランス合作映画。地球温暖化を阻止するために散布された薬剤の影響で今度は氷河期がきてしまい、地球が氷に覆われてしまう。唯一生き残った一部の人類が乗る列車が舞台、という興味深い設定です。ノアの箱舟みたいな感じ。ノアの箱舟と違うのはこの列車には強烈な階級社会が存在しているところ。ある時、最下層の人々の怒りが爆発して暴動を起こす。でもそれさえ上層にいる支配階級の人間たちからすれば、人類を「適性な数」に保つため「仕組んだ」ことだったりする、という。「パラサイト」と同じ監督の作品です。いろんな人種の人たちが出てくるので格差社会は世界的な問題だということが改めて思い起こされます。SFは小説も映画もあまり好きではないのもあるけれど、ちょっと非現実すぎる設定はこの作品にいまひとつ感情移入できなかった印象が残りました。

 

最近韓国映画の面白さに魅了されて、いろいろ観てますが、その一方、ちょっと疲れてきました(汗)。理由のひとつはハラハラ感が半端ない。これは面白いともいえるのですが安心してみてられない。それと、やはり暴力とか血とかグロ、ゲロが多すぎて・・チーン。特に暴力シーンはなんだか心が荒んでくるように感じるのです。また下層階の人たちの食べ物がごきぶりを加工したプロテインバーという設定も・・。ああ、去年、東京にいった時、未来の世界をテーマにした美術企画展で昆虫食(それもごきぶり)の展示をみたぞ。なのであながち可能性としてはないこともないのだろうけれど・・。韓国映画はちょっと休憩しようと思います・・。くもり