昨日16日も梅雨の晴れ間でとても良いお天気。太陽の光が存分に降り注ぐ日はいい写真が撮れるかも、と午後からまたカメラを持って出かけてきました。今回の目的地は市内の妙楽寺という真言宗のお寺です。自粛期間に一度、この辺をウォーキングしていて参道近くまで来たのですが、拝観は遠慮していました。
さて昨日はお寺前の駐車場に車を停めて、山門に向かって歩きました。他に2台くらい停めてありましたが、相変わらず静かな環境です。参道は頭上を木々が覆っていて緑のトンネル状態です。ひんやりした空気が気持ちいい。マイナスイオンをいっぱい浴びているような感じでした。
仁王門です。1777年再建とのこと。表面に年月の経過が感じられます。こちらのお寺は養老3年(719年)に行基が本尊を彫り、空海が延暦16年(797年)に再興したと伝えられているそうです(Wikipediaより)。ここもとても古いお寺なのですね。門前には清流が流れ、せせらぎの音が耳に優しく聞こえてきました。
仁王門をくぐって境内へ向かいます。立派な杉の木立の合間から風の音だけが聞こえてきました。この雰囲気すごく好き。
立派な檜皮葺の本堂が見えてきました。
境内の姿を目にして、あ!ここ、2回目だ!と思い出しました💦 福井にきたばかりの3年前にも訪れています。あの頃は土地勘が全くなくて(・・・いまもないですが)、どこにどのお寺があるとか全くわからずの状態でお寺巡りをしていました。
鐘楼です。この鐘は関ケ原の役の数年後に作られたものだそうです。一回だけ自分で突いてみました。ごぉ~んと鐘の音が山に響くようでした。
境内左側にある地蔵堂。
菩薩様のお顔が窓越しにみえます。まあるい優しそうなお顔。
次は本堂へ。鎌倉時代の建立だそうです。同じ小浜にある国宝・明通寺の本堂や三重塔も鎌倉時代の建立と伺いましたが、こちらのほうが更に古く、若狭地方最古の建造物だそうです。
本堂の中にあがらせてもらい、置いてあるカセットデッキのスイッチを押して説明を聞きました。本尊としてお祀りされている千手観音様のお姿もすぐ間近で見ることができました。本堂内部では写真撮影NGだったので写真がないのですが、中の仏様は176センチ、ヒノキ材一本造りの二十四面の千手像。仏像のことをよく知らない私がみても、これはすごいと思ってしまうお姿でした。写真はパンフレットから。うーん、やはり写真になると、実際にあの場で感じた重厚さや深淵な雰囲気が伝わらないようです・・。
多分小浜の他のお寺と同様、長く秘仏として滅多に公開されてなかったのかもしれません。保存状態が非常によくて、間近でみると、当時の染料がそのまま残っているんです。そして、たくさんある手がいろんなものを持ってる。花や剣や宝輪・・あとはこれ何だろ??って思うのがいっぱいあって自宅に戻ってから調べたら、衆生救済のためのアイテムの名がずらりと出てきました。ひとつひとつ細部まで非常に精巧に彫られていることが印象的でした。
私は若狭地方のお寺巡りをするようになって初めて、仏像をみて純粋に感動するという経験をしたような気がします。これまでは有名な観光名所で、周囲に自分以外にたくさん観光客がいて、そのざわつきの中でガラスケースに入った仏様をみるような感じでした。こちらでは山寺の静かな本堂で、一対一で仏様と対面させてもらうことが多いです。本堂の中で対峙した仏さまからは、その姿を彫った当時の仏師の想いが千年以上の時間をワープして伝わってくるように感じます。仏師の魂を感じるような時間です。
あ、なんだか違う世界に行ってしまいそうなので戻ります(;'∀')。再び外に出ました。ココ、秋の紅葉の時期にきたらすごくいいかもしれません。
黒いアゲハ蝶が飛んでいました。
再び参道を歩いて戻ります。信楽のたぬきが。(^-^;
駐車場からの眺めです。ここはちょっとだけ高い山(というか坂の上?)にあります。前回きた時は遅咲きの桜や春の花がまだ咲いていましたが、すっかり初夏の景色になっていました。