62~63本目。

 

原題(英題):Mandariinid

監督:ザザ・ウルシャゼ

キャスト:レンビット・ウルフサック、エルモ・ヌガネン、ギオルギ・ナカシゼ

 

アブハジアにあるエストニア人たちが営むみかん園の中の一軒家で、ケガをして運び込まれたチェチェン兵とジョージア兵が同居する姿を描写する。製作を担当するのは『バルト大攻防戦』などに携ってきたイヴォ・フェルト。敵同士の緊迫感あふれるやりとりや、複雑な人間関係が見どころ。~シネマトゥデイ~

 

2013年エストニア・ジョージア合作映画。こんな映画、もっと上映してほしいなと思うような作品。旧ソ連邦が解体して、バラバラになった地域からいろんな政治問題・紛争が出てきたこの30年間でした。この作品を見るまで知らなかったアブハジア紛争。ついさっきまで穏やかな笑顔で会話をしていた人が次の瞬間に死んでしまう、この言葉にできない悔しさみたいな感覚。互いに殺しあう戦争って何なのか、ふと立ち止まって考えてしまいます。この物語が決して遠い昔ではなく、日本が平和と経済的繁栄を謳歌していた90年代のことかと思うとなんだか胸がきゅっとします。タイトルの「みかん」は19世紀後半のロシア帝政時代、多くのエストニア人がこのアブハジアに移民し、土地を開墾した歴史によるもの。いまなお緊張状態が続くアブハジアの名産なのだそうです。これはとてもおすすめ。グッド!ニコニコ

 

 

原題:FAUBOURG 36/PARIS 36

監督:クリストフ・バラティエ

キャスト:ジェラール・ジュニョ、クロヴィス・コルニアック、ノラ・アルネゼデール

 

下町の人々から愛されるミュージックホール、シャンソニア劇場が不況のあおりを受け、不動産屋に取り上げられる事態に。支配人のピグワル(ジェラール・ジュニョ)は仲間たちとともに劇場を取り戻そうと、オーディションにやって来た美しい娘ドゥース(ノラ・アルネゼデール)の類まれな歌声を頼りに、再び公演を始めるが……。~シネマトゥデイ~

 

2008年フランス映画。レビューの評価がとても高かったので観てみました。この作品のプロデューサーのジャック・ペラン、名前をみた時はわからなかったのですが、写真をみたら、「ニューシネマパラダイス」で大人になったトトを演じていた人!もうそれを見ただけで、あの映画の感動の場面が次々に思い出されるような感覚に。えーん 監督はジャックペランの甥にあたる人なんだそうです。「シャンソニア劇場」のほうも「ニューシネマパラダイス」ぽい雰囲気のある作品でした。WWII前の1936年という時代、この時代のフランスの政治的事情をよく知らないのですが、街には失業者があふれ、戦争の足音が聞こえてくる・・・どことなく暗くて不穏な空気が感じられました。(コロナ後の世界がそんなにならないことを願います・・)前半はちょっと退屈な感じがしました。人物たちには次から次へ不幸や試練がやってきて決して幸せ順風満帆ではないのに最後はじんわり幸せな気持ちに。市井に生きる人たちの強さ、愛を感じた作品です。