38~39本目。
監督:上田音
キャスト:小林聡美、市川実日子、光石研、高橋ひとみ、木南晴夏、ベンガル、もたいまさこ
東京で暮らしていたハナは、甥、友人、友人の子供と田舎での生活を始めた。そんな中、新しい家族、やんちゃな猫のトムがやって来る。~Filmarks~
2015年ドラマ。原作・石井桃子さん、脚本・群ようこさん。とりわけ深刻な事件が起こるわけでもなく、「かもめ食堂」系の淡々としたゆるい展開。このキャストでの作品は独特の空気感がありますね。古民家に住んで畑を耕して暮らす自給自足の生活。ご近所の人たちとの交流、助け合い。駄菓子屋に集まる子供たち。昭和的な描写がある一方で、学校に行っていない男の子、シングルマザーなど今の時代に特徴的な人物像も取り込まれていました。土をいじっているシーンで、「土はこんなに多くの野菜を育てる力があるのに都会ではそれをコンクリートで覆ってしまっている」というようなセリフが印象深かったです。互いが結びついて関わりあっていることを「有機的」、その反対を「無機的」といいますが、都会の人間関係は土がコンクリートに覆われているように、その結びつきも断たれているように感じます。
猫のトムがめちゃかわいい。このシリーズ(?)ではお料理も本当に美味しそう。「ていねいな暮らし」の原型という感じ。
原題:Das schweigende Klassenzimmer
監督:ラース・クラウメ
キャスト:レオナルド・シャイヒャー、トム・グラメンツ、レナ・クレンク、ヨナス・ダスラー、ロナルト・ツエアフェルト、
ベルリンの壁建設前夜の東ドイツを舞台に、無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった高校生たちに突きつけられる過酷な現実を、実話をもとに映画化した青春ドラマ。1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトは、西ベルリンの映画館でハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を見る。自由を求めるハンガリー市民に共感した2人は純粋な哀悼の心から、クラスメイトに呼びかけて2分間の黙祷をするが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは社会主義国家への反逆とみなされてしまう。人民教育相から1週間以内に首謀者を明らかにするよう宣告された生徒たちは、仲間を密告してエリートとしての道を歩むのか、信念を貫いて大学進学を諦めるのか、人生を左右する重大な選択を迫られる。~映画.com~
2019年ドイツ映画。池上彰先生の本を読んでいたところ、最近印象深かった映画としてこの作品のことが紹介されていました。ベルリンの壁が築かれる前の時代の東ベルリンに暮らす高校生たちの話なのですが、当時の政治的背景がそこで生きる人たちに深く影響を及ぼしていて、まだ若い彼らの正義感と思想を管理しようとする政治の対峙が描かれています。とても見ごたえのある内容でした。感覚的に「なんかおかしい」って思っても、それは恐怖をもって抑え込まれてしまう。思想の弾圧ってこんなふうに行われていたのかと・・。なんて過酷な青春時代でしょう。映画は実話に基づいているそうですが、彼らがその後、幸せな人生を生きたことを願わずにいられませんでした。