梅盆展の会場、慶雲館の向かいに旧長浜駅舎の建物がありました。鉄道文化館と北陸線電化記念館とあわせて博物館になっています。特に鉄道好きというわけでもないのですが、せっかくだったのでのぞいてみることに。この駅舎は1882年(明治15年)に完成したもので、現存する日本最古の駅舎。レトロな雰囲気が素敵ですが、江戸時代の建物がまだ多く残っていた当時、煉瓦造りの洋風建築はとても珍しいものだったとか。

 

駅舎内部。切符を買うところ(出札)です。

 

当時の物価感覚がわからないですが、鉄道運賃は相当高いものだったようです。文明開化の象徴のような鉄道駅。駅の周囲には旅人宿、運送店、カフェ、料理店が立ち並び、飛脚業者/人力車らがたくさんいたようです。当時の長浜の賑わい、活気が目に浮かびます。

 

 

1・2等の待合室。ビロード張りクッションの長いす、八角形の釣りランプが取り付けられ3等舎の待合室とは格段の差があったのだとか。主に高級官僚クラスのひとたちが利用したとのことですが、いまでいえば空港のファーストクラス・ビジネスクラスのラウンジみたいなものかな。

 

 

 

駅長室。駅長さんの人形がガラスの中に入っていてちょっと怖いけど・・・💦 立派な調度品がおかれていました。長浜の初代駅長は、のちに東京駅の初代駅長になった方だとか。(長浜駅のほうが先にできていた)

 

 

なんかいい感じ。ウインク

 


 

 

 

 

 

 

旧駅舎から別館に向かいます。外においてあった腕木式信号機。

 

鉄道文化館には鉄道のジオラマとか当時の駅員さんの制服とかいろいろ展示されていました。下は100年前のゼンマイ式時計。今も動いています!

 

 

そして北陸線電化記念館。全部同じ敷地にあるのでそのまま移動できます。ここにはD51とED70が展示されていました。D51のほうは後部に燃料の石炭を載せる場所がありました。大八車くらいしか知らない当時では黒塗りの大きな鉄輪が連動して動くさまはもう本当にびっくり!なんかすごい!!なにこれ!!みたいな感じだったのだろうなあ・・と。電車のことはあまりよくわからないので概ねスルーしてしまいましたが、いろいろ詳しい説明なども各所にありました。

 

 

 

印象に残ったのはこの展示です。当時、販売されていた駅弁とお茶入れ。

 

ペットボトルが登場する以前のお茶。なんとこんな陶器だったのですね。いれものに「静岡」、「浜松」などの地名が書かれています。飲み終えたらどうやって処分していたのでしょう。そういえば夏目漱石の「三四郎」を読むと、熊本から上京してくる主人公が駅弁を食べたあと、窓から弁当箱をほうりなげる描写があるんです。それがホームにいた女性にあたって・・💦というのもあったり。昔、読んだときに「えー?!」と思った記憶がありましたが、多分、当時はごみ捨てに対する認識はそんな程度だったのかも。当時の人の生活の様子が伺えるものをみるのはなんだかやっぱり面白いです。

 

 

この旧長浜駅舎の横に市営の駐車場があります。今回はココに車をとめて梅盆展をみにいきました。150円くらいだったかな。地方の街なので安いです。(^-^;