明治時代の迎賓館として建造された慶雲館。明治天皇皇后両陛下が京都訪問の帰りに長浜に寄られるということで、当地の実業家が私財を投じて建てたものです。ホームページの説明を読んで驚いたのですが、これだけ立派な建物を造ったのに天皇陛下はわずか1時間滞在されただけだったのだそう。 こういう場所、日本各地にありますが、国民に対する天皇の「偉大さ」や「雲上人感」は現在とは比較にならないくらいだったのでしょう・・・。
建物も立派でしたがお庭が素晴らしかったです。大きな石灯篭がいくつもあり、迫力を感じました。上の写真は表門から中庭にいたる平庭です。石灯篭は5mを超えるものです。
庭の隅にあった力士像。
長浜は秀吉がはじめて城持ちの大名になった所領。昔は「今浜」と呼ばれていたのを上司であった「信長」の名の一部をとって「長浜」に改名したのだとか(歴史番組で知りました)。下の写真は当時の年貢免除区域である「朱印地区域」を示す石柱です。秀吉は町人たちにこうした特権を与えて彼らの心をつかみました。秀吉が庶民から愛されたのは、こういう配慮ができる人だったからなのだろうと想像します。石柱は明治以降にこちらに移されたそうです。
中門。
こちらは主庭の眺めです。起伏のある地面に巨石や立派な木が配置されてとても風格を感じました。作庭は七代小川治兵衛です。この人が手掛けた庭園は京都の平安神宮の神苑や円山公園、桂離宮、山県有朋の別邸(無鄰菴)、南禅寺などなど・・有名どころばかり!そんな人の作品がここ長浜にもあったなんて。京都の神社・お寺などに見に行っても人が多くてゆっくりみられませんが、ここではひとりで独占状態でした。
滋賀県とはいえ長浜の気候は北陸的で、冬はたくさんの雪が降ります。庭の木にはその主なものには雪釣りが施してあったのですが、今年は全く雪がありません。ここにみえたガイドさんも、「少しくらいは降ったほうが情緒があっていいのだけど・・。」と仰っていました。雪景色をみれないのは残念でしたが、ここのお庭、広すぎない面積に美しいものがぎゅっと凝縮されて配置されている感じですごくよかったです。新しいカメラの扱いにまだ慣れていないので写真もあまり撮れていませんが、ぜひ再訪したい場所でした。