9~10本目。

 

 

原題:SAME BLOD (SAMI BLOOD)

監督:アマンダ・ケンネル

キャスト:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ

 

1930年代、スウェーデン北部の山間部に居住する少数民族サーミ族は、支配勢力のスウェーデン人によって劣等民族として差別を受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通うエレ・マリャは、成績も良く進学を望んだが、教師からは「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げられてしまう。ある時、スウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで、エレは都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。スウェーデン人から奇異の目で見られ、トナカイを飼育しテントで暮らす生活から抜け出したいと思っていたエレは、ニクラスを頼って街に出る。~映画.com~

 

2017年スウェーデン・デンマーク・ノルウェー合作映画。物語の内容は差別。主人公の女の子、思春期の多感な頃にあからさまな差別に晒されて辛かっただろうな・・。彼女自身が自分の民族に誇りをもって生き抜くには感受性が強すぎたのかもしれません。出自ゆえに差別の目を向けられる彼女の心の痛みが伝わってきました。テント生活から抜け出してスウエーデン人社会で生きていく中でも、何度も傷つけられただろうことが老年に至った彼女の素振り、口ぶりから感じられました。「痛み」を感じる作品だと思います。

 

 

 

原題:L' Enfant

監督:ジャン・ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ

キャスト:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ

 

20歳の青年ブリュノ(ジェレミー・レニエ)と18歳の恋人ソニア(デボラ・フランソワ)の間に子供が産まれる。ブリュノは手下のように使っている少年スティーヴ(ジェレミー・スガール)たちと共に盗みを働き、盗品を売った金でその日暮らしをしている身だ。真面目に働いて欲しいと彼にソニアは頼むが、ブリュノにその気はなく、職業斡旋所に並ぶ列から離れ、なんと子供を金で売ってしまう。~映画.com~

 

2005年ベルギー・フランス合作映画。この年のカンヌ・パルムドール受賞作。最後まで観て、「子供」は生まれた赤ちゃんのことであると同時に「親」である主人公の両方を指していることに気づきました。カップルに子供が生まれた時、二人ともものすごく危なっかしいんです。まるで子供が子供を産んだみたいな感じで。恋人(ソニア)のほうは自らが身ごもって生んだ子だから、次第に母親の意識が芽生えてくるのですが、青年のほうはまったく・・。目先のお金に釣られて闇のブローカー経由で子供を売ってしまうという(養子に出してしまう)。驚くソニアに向かって青年は「子供はまたできるさ」といって札束を見せる始末。悪いことをしているとの自覚さえない幼稚さ。目の前の快楽しかわからない子供のままの大人がそこにいて・・。最後に自身のバカさ加減に気づいたと思うのだけど、なかなか衝撃的です。フランスだからこんな映画作れるのかな。