3~4本目。

 

 

原題:Green Book

監督:ピーター・ファレリー

キャスト:ジェフ・スコール、ジョナサン・キング、オクタヴィア・スペンサー

 

カーネギーホールを住処にし、ホワイトハウスでも演奏したことのある天才黒人ピアニストのシャーリーは、差別の色濃い南部での演奏ツアーを計画する。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるイタリア系のトニーを運転手兼用心棒としてスカウトし、2人は黒人用旅行ガイド(=グリーンブック)を頼りに南部へと出発する。~Movie Walker~

 

2018年アメリカ映画。2019年アカデミー作品賞/脚本賞受賞作品。ゆかりんちゃんから「とても良かった」と教えてもらったのがきっかけで鑑賞しました。人種も社会的背景も違う二人が無二の親友になるという「最強のふたり」のアメリカ映画版という感じ。この作品もまた実在の人物がモデルになっているそうです。1960年代の米国南部が舞台です。インテリで繊細な黒人ピアニストと粗野なイタリア系白人が主人公。あからさまな差別を前にしても背筋をぴんと伸ばして動じないシャーリーに気高さと意思の強さを感じました。しかし、表面的に冷静に見せていても、人種差別に対するやり場のない怒りが彼のピアノ演奏に出ていて本人の心情が余計に感じられるんです。そんな彼に接しているうち、がさつなばかりであったトニーの内面に変化が起こり始めます。最初のうちこそ相容れない二人にみえたけれど、トニーにはシャーリーの気高さを理解する心があったのだと思います。ラストシーンは見ている側も幸せいっぱいな気分に。

 

 

 

原題:Rush

監督:ロン・ハワード

キャスト:クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール

 

日本でも絶大な人気を誇るモータースポーツの最高峰、F1。その1976年シーズンの壮絶なチャンピオン争いに迫るヒューマンドラマ。事故で大やけどを負いながらもシーズン中に復帰したニキ・ラウダと彼の不在時に強さを見せたジェームス・ハント。性格もドライビングスタイルも正反対な2人の戦いを臨場感あふれるレースシーンとともに描く。

 

2013年アメリカ映画。ニキ・ラウダはその後、ラウダ航空の社長になり、すごく恵まれた人生の人と思っていましたが、現役時代にこんなすさまじい経験していたとは。ジェームズ・ハントのことはこの映画で初めて知りました。プレイボーイ然とした華やかさの一面、レースの前には緊張から嘔吐を繰り返すほどの繊細さがあって。そんなところからもF1の世界は生と死が隣り合わせで、ギリギリのところで彼らが命をかけて戦っているのが感じられました。ストーリー展開は違いますが、Green Bookと同じく二人の全く違うキャラの男性二人の友情物語です。そして相手の存在によって自分の精神が高められていくという部分も共通していました。観ている側も一段上の精神性に触れたような気持ちになる作品だと思います。